質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第二〇一号

内閣参質一八九第二〇一号
  平成二十七年七月二十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員水野賢一君提出個別的自衛権の地理的要件などに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員水野賢一君提出個別的自衛権の地理的要件などに関する質問に対する答弁書

一及び二について

 御指摘の「我が国に対する外部からの武力攻撃」とは、基本的には我が国の領土、領海、領空に対する組織的計画的な武力の行使をいうと考える。
 特定の事例が我が国に対する組織的計画的な武力の行使に該当するかどうかについては、個別の状況に応じて判断すべきものであり、あらかじめ定型的類型的にお答えすることは困難である。

三について

 従来から、武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる「海外派兵」は、一般に、自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないが、他国の領域における武力行動でいわゆる自衛権発動の三要件に該当するものがあるとすれば、憲法上の理論としては、そのような行動をとることが許されないわけではないと考えてきており、この趣旨は、昭和三十一年二月二十九日の衆議院内閣委員会で示された政府の統一見解によって既に明らかにされているところである。このような考え方は、「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成二十六年七月一日閣議決定)でお示しした「武力の行使」の三要件の下で行われる自衛の措置としての「武力の行使」にもそのまま当てはまるものと考えられる。