質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第一八四号

内閣参質一八九第一八四号
  平成二十七年七月三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員福島みずほ君提出戦争法案における集団的自衛権等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出戦争法案における集団的自衛権等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、それぞれの行為に係る具体的な状況が必ずしも明らかではないため、一概にお答えすることは困難である。

二及び三について

 第三国間の軍事行動に関する事柄について、政府として評価する立場にない。

四について

 お尋ねの「このように後方支援の範囲を拡大すること」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国際連合憲章(昭和三十一年条約第二十六号)第二条第四項に規定する「武力の行使」とは、一般に、国家がその国際関係において行う実力の行使をいうところ、我が国が、現在国会に提出している我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案による改正後の重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)及び国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案に従って実施する他国軍隊に対する支援活動それ自体は、これに該当しない。

五について

 パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器などの脅威等により我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしてもその目的、規模、態様等によっては、我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成二十六年七月一日閣議決定)でお示しした「武力の行使」の三要件は、こうした問題意識の下に、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会に対し政府が提出した資料「集団的自衛権と憲法との関係」で示された政府見解の基本的な論理を維持し、この考え方を前提として、これに当てはまる例外的な場合として、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるとしてきたこれまでの認識を改め、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合もこれに当てはまるとしたものである。