質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七九号

内閣参質一八九第一七九号
  平成二十七年七月三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員藤末健三君提出国債の平均償還年限長期化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出国債の平均償還年限長期化に関する質問に対する答弁書

一の1について

 「借換リスクの抑制」とは、借換えの頻度や各年度の借換債の発行額を抑制することにより、借換えが困難となるリスクや借換えに伴う将来的な金利変動リスクを抑制することであり、「中長期的な調達コストの低減」とは、リスクとコストとのバランスを踏まえつつ、中長期的な視点で政府の資金調達コストの低減を図ることである。

一の2について

 平成二十七年度国債発行計画における国債の平均償還年限の長期化の取組は、市場との対話を通じ、市場のニーズも踏まえ、借換リスクの抑制や中長期的な調達コストの低減等を図るために実施しているものである。また、金利が上昇した場合の対応について、仮定のお尋ねにお答えすることは差し控えたい。

一の3について

 国債の平均償還年限の長期化の取組は、日本国債に対する格付けの維持を目的として実施しているものではない。また、民間の格付会社による国債の格付け及びその方針についてコメントすることは差し控えたい。

一の4について

 我が国の国債の平均償還年限の長期化の取組は、市場との対話を通じ、市場のニーズも踏まえ、我が国の国債管理政策上の観点から実施しているものである。

二の1について

 平成二十七年度国債発行計画の策定に当たっては、「国の債務管理の在り方に関する懇談会」や「国債市場特別参加者会合」、「国債投資家懇談会」等の場における市場関係者の意見を参考にしたところであるが、市場関係者からは、例えば、三十年債、四十年債で合計二兆円程度の増額は可能、三十年債、四十年債は、それぞれ一回の入札当たり千~二千億円程度の増額が可能、二年債、五年債はそれぞれ月千~二千億円程度の減額が可能、一年物TBは減額の余地がある等の意見が出されたところである。なお、上記会合における市場関係者の意見については、財務省ホームページにおいて議事要旨を公開している。

二の2について

 平成二十七年度国債発行計画の策定に当たっては、市場との対話を通じ、市場のニーズを踏まえ、国債の償還年限及び発行額を定めている。また、政府が市場関係者の国債のニーズについて具体的な予測を示すことは、国債市場に不測の影響を与えるおそれがあるため、お答えすることは差し控えたい。

二の3について

 政府としては、生命保険会社も含む幅広い市場関係者の意見を踏まえつつ、借換リスクの抑制や中長期的な調達コストの低減等の国債管理政策上の観点から国債の償還年限及び発行額を定めている。

三について

 政府としては、幅広い市場関係者の意見を踏まえつつ、借換リスクの抑制や中長期的な調達コストの低減等の国債管理政策上の観点から国債の償還年限及び発行額を定めており、その中で国債の平均償還年限の長期化の取組を実施しているものである。

四について

 政府が国債市場の動向について見解を示すことは、国債市場に不測の影響を与えるおそれがあるため、お答えすることは差し控えたい。