質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七〇号

内閣参質一八九第一七〇号
  平成二十七年六月二十六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員中西健治君提出昭和四十七年の政府見解における「自衛の措置」及び「外国の武力攻撃」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員中西健治君提出昭和四十七年の政府見解における「自衛の措置」及び「外国の武力攻撃」に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の答弁が記載された会議録における「第十二条」は、「生命、自由及び幸福追求に関する国民の権利は立法、行政、司法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする」旨を規定している憲法第十三条のことであると考えられる。

二について

 御指摘の答弁の「日本国が、この国土が他国に侵略をせられまして」及び「この国土がじゅうりんをせられて」という部分は、吉國一郎内閣法制局長官(当時)が、我が国に対する武力攻撃を念頭に置いて述べたものと認識している。

三及び四について

 昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会に対し政府が提出した資料「集団的自衛権と憲法との関係」は、御指摘の①及び②の部分において、憲法第九条の下でも例外的に自衛のための武力の行使が許される場合があるという基本的な論理を示した上で、御指摘の③の部分において、これに当てはまる場合は我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるという当時の認識の下で、結論として、「そうだとすれば、わが憲法の下で武力行使を行なうことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであつて、したがつて、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない」と「わが国に対する」と明示して、御指摘の①及び②の基本的な論理に当てはまる例外的な場合としては、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られるとしたものである。このような論理の組立てからすると、基本的な論理にいう「自衛の措置」については、我が国に対する武力攻撃に対処するものに限定されているものではなく、「外国の武力攻撃」については、我が国に対する武力攻撃に限定されているものではないと解される。