質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六〇号

内閣参質一八九第一六〇号
  平成二十七年六月十九日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員山本太郎君提出漢方薬原料生薬の国内自給率と品質管理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出漢方薬原料生薬の国内自給率と品質管理に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「健康保険診療における漢方薬を用いた治療の意義」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。なお、我が国の医療保険制度においては、疾病等に対する有効性、安全性等が確立した治療を保険適用の対象としているところである。

二から四までについて

 お尋ねの「輸入依存度及び生薬国内自給率」の意味するところが必ずしも明らかではないが、日本漢方生薬製剤協会が加盟会社を対象に、我が国において医薬品の原料として使用された生薬について行った調査の結果によると、平成二十四年度における生薬の総使用量に対する生産国別の割合は、中国が八十・七パーセント、日本が十一・七パーセントであると承知している。また、漢方薬は医療現場において一定の役割を担っており、その原料である生薬の調達先が特定の国に集中して安定供給に支障が生じないよう、生薬の調達先の多様化を図ることが重要であり、その方策の一つとして、生薬となる薬用作物の国内栽培の推進に向けた取組を行っていくことが必要と考えている。このため、例えば、平成二十七年度予算においては、厚生労働省においては創薬基盤推進研究事業により薬用作物の新たな育種、栽培及び生産に関する技術の研究に対して支援を行う等の施策を講ずるとともに、農林水産省においては薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業により薬用作物の栽培技術の実証に対して支援を行う等の施策を講ずることで、薬用作物の国内栽培を推進しているところである。なお、政府としては、生薬の自給率の目標値等の設定はしていない。

五について

 お尋ねの性状に関する基準や異物、残留農薬、重金属、ヒ素等の純度試験に関する基準等については、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いた上で、日本薬局方(平成二十三年厚生労働省告示第六十五号)において生薬ごとに定めている。これらの基準については、最新の科学的な知見を踏まえたものとなるよう、五年に一度は全面改正するとともに、必要に応じて随時改正しているところである。