質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第七八号

内閣参質一八九第七八号
  平成二十七年三月二十四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員小見山幸治君提出限定正社員の働き方と正社員との格差に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小見山幸治君提出限定正社員の働き方と正社員との格差に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し労働者の雇用の安定を図るという労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第十八条の規定の趣旨及び内容について幅広く周知啓発等を行っているところであり、今後とも、御指摘のような雇止めの抑制に努めてまいりたい。

二について

 事業主に直接雇用され、雇用期間の定めがなく、職務、勤務地、労働時間等が限定された労働者についても、労働契約法第十六条の規定が適用され、事業所の閉鎖や職務の廃止の場合に行われた解雇が当然に有効となるわけではないと認識している。
 また、お尋ねの「リーマンショックのような経済不況に陥ったとき」には、雇用情勢が悪化し、失業者が増加することが想定されるため、雇用調整助成金の活用による雇用維持に加え、雇用保険の失業等給付、ハローワークによる再就職支援等の雇用対策に取り組んでまいりたい。

三について

 前段のお尋ねについては、事業主に直接雇用され、雇用期間の定めがなく、職務、勤務地、労働時間等が限定された労働者については、そのような雇用形態の普及により、事業主に直接雇用された雇用期間の定めのない労働者の働き方の多様化が図られるものと認識しており、「正社員の雇用減少につながることはないのか」とのお尋ねについて、一概にお答えすることは困難である。
 後段のお尋ねについては、雇用形態の転換については労働者及び使用者が合意することが重要であると認識しており、今後とも、パンフレット等の配布やセミナーの開催を通じて、その周知に努めてまいりたい。

四について

 労働契約法第三条第二項に規定する「就業の実態に応じて、均衡を考慮」することには、事業主に直接雇用された雇用期間の定めがない労働者のうち、職務、勤務地、労働時間等が限定された労働者とこれらが限定されていない労働者の間の処遇の均衡を考慮することも含まれていると解しており、職務、勤務地、労働時間等の限定の内容や程度に応じて、処遇の水準について差が生じることはあり得るものと考えている。