質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第五六号

内閣参質一八九第五六号
  平成二十七年三月十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員大久保勉君提出財政法第五条及び日本銀行法に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大久保勉君提出財政法第五条及び日本銀行法に関する質問に対する答弁書

一について

 日本銀行が公表した「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高(二千十五年二月二十日現在)」における国債の各銘柄について、日本銀行が保有する残高の平成二十七年二月末時点の当該各銘柄の国債発行残高に対する比率が高い順に、十銘柄と当該比率をお示しすると、次のとおりである。
 利付国庫債券(物価連動・十年)(第六回) 七十七・一パーセント
 利付国庫債券(物価連動・十年)(第八回) 七十一・四パーセント
 利付国庫債券(二年)(第三百四十二回) 七十一・一パーセント
 利付国庫債券(二年)(第三百三十五回) 七十・六パーセント
 利付国庫債券(物価連動・十年)(第四回) 六十九・七パーセント
 利付国庫債券(十年)(第三百三十三回) 六十八・五パーセント
 利付国庫債券(十年)(第三百三十四回) 六十六・七パーセント
 利付国庫債券(十年)(第三百三十一回) 六十六・四パーセント
 利付国庫債券(五年)(第九十回) 六十六・一パーセント
 利付国庫債券(物価連動・十年)(第十回) 六十二・六パーセント

二及び三について

 財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第五条本文においては、「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。」とされており、これに抵触する日本銀行による公債の引受け等については禁じられているが、日本銀行が自らの判断により、金融政策の目的で、市場で流通している国債を買い入れることは、同条に抵触するものではないと考えている。
 また、日本銀行が、金融政策の目的で、どの銘柄の国債をどの程度買い入れ、保有するかは、日本銀行の金融政策運営に関するものであり、お尋ねの「国債の保有について、銘柄毎の上限比率を設定している」か否かについては、日本銀行の自主性を尊重する観点から、お答えすることは差し控えたい。

四について

 日本銀行は、金融調節の透明性の向上等の観点から、適切な情報開示を行っているものと承知しており、「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高」を公表するとともに、これに含まれない短期国債については「日本銀行による国庫短期証券の銘柄別買入額」において国庫短期証券売買オペの累計額から満期償還額を控除した額を銘柄別に公表しているものと承知している。
 また、国債の銘柄ごとの償還期限、発行額及び買入消却額については財務省より公表されているため、市場参加者が「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高」における銘柄ごとの償還期限を知ることは可能であり、その銘柄ごとの日本銀行の保有比率については計算可能である。