質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第四九号

内閣参質一八九第四九号
  平成二十七年三月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員小池晃君提出軽度外傷性脳損傷(MTBI)患者救済に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小池晃君提出軽度外傷性脳損傷(MTBI)患者救済に関する質問に対する答弁書

一について

 労働者災害補償保険審査官(以下「審査官」という。)が審査請求に対して行う決定は、労働保険審査官及び労働保険審査会法(昭和三十一年法律第百二十六号)第二十一条の規定により、原処分をした行政庁を拘束することとされている。審査官は、原処分を違法又は不当であると判断した場合には、原処分を取り消すとの決定を行うこととなり、原処分をした行政庁は、改めて処分をし直さなければならない。なお、審査官は、原処分が違法又は不当な処分であっても、審査請求人に有利となっている場合には、不利益変更禁止の原則により、原処分を取り消し得ないものである。
 また、審査官は、審査請求を棄却するとの決定を行う場合であっても、原処分と異なる理由を示すことは否定されるものではなく、原処分をした行政庁は、職権により、審査官の示した原処分と異なる理由について再調査を行い、原処分の理由を変更することは可能であると考えている。

二から四までについて

 御指摘の「画像所見が認められない高次脳機能障害に係る障害(補償)給付請求事案の報告について」(平成二十五年六月十八日付け基労補発〇六一八第一号厚生労働省労働基準局労災補償部補償課長通知)に基づき厚生労働省本省宛て報告がされた事案については、「SUMMARY OF THE WHO COLLABORATING CENTRE FOR NEUROTRAUMA TASK FORCE ON MILD TRAUMATIC BRAIN INJURY.J Rehabil Med 2005;37:137-141」において示された軽度外傷性脳損傷の定義に該当するか否かを含め、事案ごとに必要な見識を有する医学専門家の意見を踏まえ、業務又は通勤による災害と後遺障害との間の相当因果関係の有無及び後遺障害の程度を判断することとしている。