質問主意書

第189回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五号

内閣参質一八九第一五号
  平成二十七年二月十三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員大久保勉君提出日本銀行の量的・質的緩和に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大久保勉君提出日本銀行の量的・質的緩和に関する質問に対する答弁書

一について

 日本銀行は、これまでも、金融政策決定会合後に、日本銀行総裁の記者会見に加え、当該決定会合の結果及び議事要旨を公表するとともに、月一回、「金融経済月報」を、年二回、経済・物価情勢についての考え方を整理した「経済・物価情勢の展望」等を公表しており、また、半年ごとに「通貨及び金融の調節に関する報告書」を国会に提出するとともに、国会に対する説明にも努めているものと承知している。
 日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第三条第二項には「日本銀行は、通貨及び金融の調節に関する意思決定の内容及び過程を国民に明らかにするよう努めなければならない。」と規定されており、日本銀行は、同項の規定に基づき、引き続き、こうした取組を通じて、金融政策についての十分な説明責任が果たされるよう、努めていただく必要がある。

二について

 日本銀行の営業毎旬報告(平成二十六年十二月三十一日現在)によると、平成二十六年末における、日本銀行の総資産の額並びに長期国債、信託財産指数連動型上場投資信託(以下「ETF」という。)及び信託財産不動産投資信託(以下「J―REIT」という。)の保有額は、それぞれ、総資産の額が三百兆二千百十七億千十二万七千円、長期国債保有額が二百一兆七千六百七十六億二千四百四十八万円、ETF保有額が三兆八千四百五十八億二千七百七十万千円、J―REIT保有額が千七百七十七億五千二十四万千円であると承知している。

三について

 御指摘の各年の理論値及び対名目GDP比率については、算出するための前提が明らかでなく、そのような試算を行っていないため、お答えすることは困難である。

四について

 日本銀行による、資産買入れ等の金融政策の具体的な手法については、日本銀行の金融政策運営に関するものであり、日本銀行の自主性を尊重する観点から、お答えすることは差し控えたい。
 また、政府において、日本銀行の総資産の対名目GDP比率について、何らかの上限を設けているということはない。

五について

 平成二十六年末における我が国の国債発行残高(普通国債及び財政投融資特別会計国債の合計額)は八百六十五兆二千六百七十五億千九百九十五万円であり、同時期における日本銀行の保有する長期国債が二百一兆七千六百七十六億二千四百四十八万円であることから、お尋ねの比率は約二十三・三パーセントとなっている。
 平成二十七年末以降については、御指摘の各年の比率を算出するための前提が明らかでなく、そのような試算を行っていないため、お答えすることは困難である。

六について

 財政政策については、憲法第九十一条及び財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第四十六条の規定に基づく財政状況の国会及び国民への報告等を通じて、適切に国民への説明責任を果たしていると考えている。
 金融政策については、一についてで述べたとおり、日本銀行が、国民への説明責任を負っているものと考えている。
 政府としては、日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、二パーセントの物価安定目標を実現することを期待している。