質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二九九号

東京電力福島第一原発事故に伴う廃炉・除染作業の労働環境に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月十七日

薬師寺 みちよ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   東京電力福島第一原発事故に伴う廃炉・除染作業の労働環境に関する質問主意書

 東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)事故に伴う廃炉・除染作業は、何重にも下請契約がなされ、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働者派遣法」という。)で禁じられている偽装請負が横行する劣悪な労働環境で行われている。また、福島第一原発で労働災害が多発している原因として、二〇二〇年東京オリンピックのために組まれた無理のある作業工程、安全衛生管理の不徹底や経験の浅い作業員の比率が高いことなどがあげられる。今後三十年から四十年の間廃炉の作業が続くことから、廃炉作業員及び除染作業員の安全衛生管理については、国が長期的な対策を講じる必要がある。
 そこで以下、質問する。

一 東日本大震災以降、福島第一原発事故に伴う廃炉・除染作業において労働者派遣法に違反する労働が行われた事実はあるのか。

二 東京電力は福島第一原発事故に伴う廃炉・除染作業における安全衛生管理に対してどのような法的責任を負うのか。

三 廃炉作業員及び除染作業員の安全衛生管理に対して、国はガイドラインの策定や定期指導に止まることなく、安全衛生管理に責任を持つ仕組みを検討すべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。