質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二七二号

駐留軍労働者の高齢者雇用確保に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月七日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   駐留軍労働者の高齢者雇用確保に関する質問主意書

 駐留軍労働者については、法律的な雇用主は防衛大臣とされているが、指揮監督権は米軍側にあるため使用者が米軍となっているという特殊性がある。その特殊性のため、駐留軍労働者は、国の安全保障に関わる重要な公務に携わりながら、公務員ではないとされ、一方では、他の民間労働者であれば必ず適用される労働者保護や権利を保障する国内法令からも漏れているという構造的な問題が存在する。私は、政府として、この構造的な問題を解決していかなければならないと考える。
 その認識を前提に、以下質問する。

一 国と駐留軍等労働者との間の雇用関係については、日米地位協定に基づき、原則として日本の労働関係法令が適用されるものと理解しているが、駐留軍等労働者においても、高年齢者等の雇用の安定化等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)(以下「高年齢者雇用安定法」という。)に基づく雇用確保措置が図られているのか、明らかにされたい。

二 高年齢者雇用安定法は平成二十四年の改正により、継続雇用制度の対象者を労使協定に定める基準により限定できる仕組みが廃止されたが、廃止に当たっては、老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給開始年齢の関係から平成三十七年三月三十一日までの経過措置が設けられている。駐留軍等労働者についても、こうした経過措置期間中の労使協定に定める基準により継続雇用されない事例があるのか、また、経過措置期間終了後には希望者全員が限定されることなくその継続雇用が図られることになると理解してよいか。

三 有期契約労働による継続雇用制度を導入した場合において、六十五歳前に雇止めする際には、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」(平成十五年厚生労働省告示第三百五十七号)に基づき、労働者の求めに応じ使用者は雇止めの理由を明示する必要があると理解しているが、継続雇用されない駐留軍等労働者においても雇止めの理由が明示されるべきものと理解してよいか。

四 駐留軍等労働者の雇用は不安定であることから、離職を余儀なくされた者については、駐留軍関係離職者等臨時措置法に基づく援護措置が行われている。一方、高年齢者雇用安定法においては、継続雇用制度に係る労使協定に定める基準に該当しないなどの理由により離職する場合には、希望者に対し事業主は再就職の援助措置を講ずるよう努めなければならないとされている。継続雇用されない高年齢の駐留軍等労働者で再就職を希望する者に対して、どのような援助を行っているのか。

  右質問する。