質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二七一号

学校における平和教育のより一層の充実に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年九月四日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   学校における平和教育のより一層の充実に関する質問主意書

 安倍内閣総理大臣は、本年八月十四日の終戦七十周年の談話(以下「本談話」という。)において、「終戦七十年を迎えるにあたり、先の大戦への道のり、戦後の歩み、二十世紀という時代を、私たちは、心静かに振り返り、その歴史の教訓の中から、未来への知恵を学ばなければならないと考えます」と述べた。その上で、「私たち日本人は、世代を超えて、過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません。謙虚な気持ちで、過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任があります。私たちの親、そのまた親の世代が、戦後の焼け野原、貧しさのどん底の中で、命をつなぐことができた。そして、現在の私たちの世代、さらに次の世代へと、未来をつないでいくことができる。それは、先人たちのたゆまぬ努力と共に、敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげであります。そのことを、私たちは、未来へと語り継いでいかなければならない」等としている。
 本談話を単なる一般論にとどめることなく、具体的に実践する必要があるとの観点から、政府に対し以下質問する。

一 本談話で述べた「過去を受け継ぎ、未来へと引き渡す責任」や、「未来へと語り継いでいかなければならない」ことを実現するためには、学校において戦争の悲惨さや復興への努力を伝える平和教育のより一層の充実が必要と考えるが、平和教育の現状及び本談話を受け今後平和教育の充実にどのように取り組むのかについて、政府の見解を示されたい。

二 日本各地にある戦争や平和に関する資料や施設は、散逸や老朽化の危機にあると言われているが、政府は現状をどのように把握しているのか。また、本談話の趣旨を踏まえ、これら施設等の充実を図るべきだと考えるが、今後の具体的取組について政府の見解を示されたい。

三 修学旅行等の際、被爆者や沖縄戦等の戦争体験者から直接話を聞き、現地を見る取組が行われているが、高齢化による語り部の確保の困難さが年々増している。戦争の記憶を風化させないため、証言の聞き取り、保存などを進めるとともに、戦争体験を語り継ぐ次世代の「語り部」を育てていく必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。また、国としてどのような支援を行うのか併せて示されたい。

  右質問する。