質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二六六号

改正後の重要影響事態安全確保法に防衛大臣の安全配慮義務規定が設けられていないことに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年八月二十八日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   改正後の重要影響事態安全確保法に防衛大臣の安全配慮義務規定が設けられていないことに関する質問主意書

 国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国の軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案(以下「国際平和支援法案」という。)第九条で「防衛大臣は、対応措置の実施に当たっては、その円滑かつ効果的な推進に努めるとともに、自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない。」と規定され、防衛大臣の安全配慮義務が明示されている一方、我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案(以下「平和安全法制整備法案」という。)による改正後の重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(以下「重要影響事態安全確保法」という。)には、このような安全配慮義務の規定が設けられていない。
 また、平和安全法制整備法案による改正後の重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律に基づく船舶検査活動についても、国際平和共同対処事態に際して実施する場合には防衛大臣に安全配慮義務が課される一方、重要影響事態に際して実施する場合には安全配慮義務が課されないこととなる。
 よって、以下質問する。

一 国際平和支援法案には防衛大臣の安全配慮義務規定を設ける一方、重要影響事態安全確保法には同様の規定を設けなかった理由を明らかにされたい。

二 重要影響事態安全確保法には明文上の安全配慮義務規定は設けられていないが、一般的な安全配慮義務は防衛大臣に課されているのか、課されているとすればその根拠は何か、明らかにされたい。

三 防衛大臣の安全配慮義務規定の有無の差により、国際平和共同対処事態又は重要影響事態に際して実施する船舶検査活動に従事する自衛隊員の安全に対して払われる配慮に差異が生じてはならないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

四 前記一から三のほか、改正後の武力攻撃事態等及び存立危機事態におけるアメリカ合衆国等の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律において明文上の安全配慮義務規定が存在しないことは、同法第十条に基づき自衛隊が実施する物品及び役務の提供に携わる自衛隊員の安全に関しては、法律上、防衛大臣に安全配慮義務が課されているとは言えないのではないか、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。