質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二一七号

ワーク・ライフ・バランスの実現に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年七月二十八日

石上 俊雄   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   ワーク・ライフ・バランスの実現に関する質問主意書

一 総実労働時間短縮の取組について

1 労働基準法第三十七条第一項に規定されている「一か月六十時間超の時間外労働の法定割増賃金率五十パーセント」に関して、中小企業への適用を早期に行うべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
2 ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた行動計画の策定及びその認定・評価等、実効性のある措置の法制化を行い、また、業務の効率化や働き方改革に関する意識の啓発を引き続き行うべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
3 年次有給休暇の最低付与日数を少なくとも十五日以上とし、希望する誰もが二週間(年休十日取得)以上の連続取得ができるように使用者の責任で職場ごとに各人の取得日程を調整させることを義務付けるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
4 裁量労働が既に導入されており、類する柔軟な働き方について新たな制度は必要ないと考える。また、現行制度においても過重労働等の懸念があるため、健康管理や創造性発揮の観点からも、柔軟な働き方が過重労働につながらないよう実効性のある労働時間の上限規制や勤務間インターバル(以下「休息時間」という。)の確保のための法的措置について検討するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
5 長時間労働による睡眠不足や過労の解消及び従業員の心身の健康維持やワーク・ライフ・バランス実現の観点から、休息時間の確保が重要と考える。また、休息時間は、十分な睡眠と生活時間を確保するため、全ての労働者を対象に二十四時間につき十一時間を目指すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

二 生活との調和を可能とする柔軟な働き方の促進について

1 介護支援制度の充実について
(1) 介護休業期間中や短時間勤務期間中の従業員に経済的支援を行う事業主を助成するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
(2) 介護のための短時間勤務制度を介護休業と分けて制度化し、短時間勤務の期間は事由解消までを念頭におき、少なくとも一年以上とし、また、休業の期間は一年程度を確保し、分割して取得できるようにするべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
(3) 非正規労働者についても正規労働者と同様の介護に関する制度を利用できるよう、法的措置を含めた環境整備を図るべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
(4) 介護をしていることそれ自体に関する不利益取扱いを禁止するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
(5) 就労継続の観点から、地域包括ケアシステムの構築・整備を図るべきであり、具体的には日中独居対策、見守りサービスの充実、小規模多機能型居宅介護施設の充実等が重要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
(6) 仕事と介護の両立に向けて、その視点も含めたケアプランの作成が不可欠であり、両立を支援できるケアマネジャーの育成を推進するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
2 育児支援の充実について
(1) 地域の待機児童解消のために、「子ども・子育て支援新制度」における地域型保育給付を積極的に普及させていく考えなのであれば、施設拡張などに対する補助などの施策も必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
(2) 雇用保険制度において、現在、十年となっている事業所内託児所への助成を恒久化し、また、一企業が複数の事業所で託児所を持つ場合に一事業所のみに限定されている助成措置を複数の事業所で受けることができるよう基準の見直しをするべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。
(3) 育児短時間勤務の例外の交替勤務について、職場の事情に合わせて導入・運営している例もあるため、そのような場合の短時間勤務の要件を緩和するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。併せて現在までの取組、その自己評価及び今後の施策の方向性を示されたい。

  右質問する。