質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二一〇号

少子化対策としての出産についての教育に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年七月十七日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   少子化対策としての出産についての教育に関する質問主意書

 近年、我が国では晩婚・晩産化が進んでいるが、年齢が高くなればなるほど自然妊娠の確率が急激に低下し、流産発生率が増加するといった年齢と妊娠リスクの関係が医学的に明らかとなっている。しかし、平成二十五年に実施された厚生労働省の「若者の意識に関する調査」によれば、年齢と妊娠リスクの関係について知っているかを尋ねた質問に対し、二十五歳未満の男女の約四割が「知らない」又は「聞いたことがあるが、よく知らない」と回答している。また、我が国における妊娠に関わる知識の習得度は他の先進国と比較して最も低いとされる調査結果もあり、妊娠、出産に関する正確な知識を教育課程の中で提供するなど、少子化対策としての教育の充実が必要である。
 少子化と教育という観点では、平成十二年に中央教育審議会で議論がなされ、報告(「少子化と教育について」)が取りまとめられた。しかし、報告で示された「教育面から少子化に対応するための具体的方策」は、家庭、学校、地域社会で行われる教育活動のそれぞれの特色に応じた子育て支援の在り方に関するものが主であり、妊娠、出産に関する教育の必要性については特段触れられていない。
 人口動態統計月報年計(概数)によると、平成二十六年の合計特殊出生率は一・四二となり九年ぶりにマイナスに転じたほか、出生数は過去最低を更新した。我が国にとって少子化対策は喫緊の課題であり、一層の取組が求められている。
 そこで、以下質問する。

一 妊娠、出産等についての判断は、個人の自由な選択に委ねるべきであることは言うまでもないが、子どもたちに妊娠や出産に関する正しい知識を伝えることで、より適当な選択を行えるようにすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 本年三月に閣議決定された少子化社会対策大綱において、少子化対策として、妊娠や出産に関する医学的・科学的に正しい知識の教育を行うことが掲げられているが、取組の現状及び今後の取組スケジュールを明らかにされたい。

  右質問する。