質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇六号

日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場の高レベル廃液のガラス固化に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年七月十四日

川田 龍平   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場の高レベル廃液のガラス固化に関する再質問主意書

 「日本原燃株式会社六ヶ所再処理工場の高レベル廃液のガラス固化に関する質問主意書」(第百八十九回国会質問第一六六号)に対する答弁書(内閣参質一八九第一六六号。以下「前回答弁書」という。)が本年六月二十二日に提出された。
 日本原燃株式会社(以下「日本原燃」という。)六ヶ所再処理工場(以下「六ヶ所再処理工場」という。)の事故により高レベル廃液に含まれる超高濃度の放射性物質が環境に放出されてしまうのではないか、との懸念を持つ地元の方々にとっては、高レベル廃液とその放射性物質がガラス固化によりどれだけ除かれ、放射性物質の潜在的リスクが軽減したかが差し当たって最大の関心事である。そういった地元の方々に対し、国や日本原燃はガラス固化によるリスクの減少について知らせ、安心していただく責任があると考える。
 そのため、分かりやすい丁寧な説明をするべきだが、前回答弁書の内容はその点、全く不十分であり、国民の理解を得ようとする姿勢を感じられなかった。そこで改めて質問するので、国民の信頼を得られるように分かりやすく答弁されたい。そして、人と環境を守るため絶対に大事故を起こさないよう、高レベル廃液の日常的な厳しい管理を強く求めるものである。
 以下、前回答弁書の内容の疑問点について再度質問をする。

一 私がこれまでに質問主意書で尋ねていた六ヶ所再処理工場における高レベル廃液の貯蔵量について、政府は「高レベル廃液貯蔵設備」に貯蔵されているものだけを高レベル廃液として答弁していたことが前回答弁書で初めて分かった。高レベル廃液は一立方メートル(広島に投下された原爆で放出された約三十倍のセシウム一三七を含む)でも環境に漏れると過酷事故になるが、最大で六十立方メートルもの貯蔵量に及ぶ、「平成二十五年二月一日の時点で、既に高レベル廃液ガラス固化設備に移送されていた高レベル廃液」(以下「ガラス固化待ちの高レベル廃液」という。)を高レベル廃液量から除外して答弁してきたことは不誠実であり、国民の安全を守る観点から納得できない。ガラス固化待ちの高レベル廃液を除外して質問主意書に答弁してきた理由を示されたい。

二 前記一に関して、「高レベル廃液貯蔵設備」に貯蔵されている高レベル廃液中のセシウム一三七の放射能量は二〇一三年二月一日時点と二〇一五年三月四日時点で約五百二十ペタベクレルと、同数値であった。半減期による減衰が約二十ペタベクレルあるものと推定できるが、放射能量が変わらなかった理由を示されたい。

三 ガラス固化待ちの高レベル廃液の量と高レベル廃液に含まれるセシウム一三七の放射能量について、二〇一三年二月一日、ガラス固化前の二〇一三年五月七日、ガラス固化終了時点の二〇一三年五月三十一日及び二〇一五年三月四日各々の数値を示されたい(A、B系列の区別が必要な場合は分けて示されたい。)。数値を示せない場合その理由を示されたい。

四 高レベル廃液の潜在的リスクを軽減させるためガラス固化をしているはずだが、前回答弁書では「「ガラス固化され除かれたセシウム一三七の放射能量」については、日本原燃からは、把握していないと聞いている」との答弁があった。放射能量の除去量を確認せずに高レベル廃液の管理はできないと考えるが、高レベル廃液中のセシウム一三七等の放射能量を確認せずに、どのようにして高レベル廃液の放射能管理を行い、国民の安全を保障するのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。