質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一八一号

漢方薬原料生薬の国内自給率と品質管理に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年六月二十四日

山本 太郎   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   漢方薬原料生薬の国内自給率と品質管理に関する再質問主意書

 平成二十七年六月十日に私が提出した「漢方薬原料生薬の国内自給率と品質管理に関する質問主意書」(第百八十九回国会質問第一六〇号)に対する答弁書(内閣参質一八九第一六〇号。以下「前回答弁書」という。)を踏まえて、漢方薬原料生薬の国内自給率及び品質管理に関して、以下再質問する。

一 前回答弁書一についてで、「「健康保険診療における漢方薬を用いた治療の意義」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。」としつつも、一についてでは、「我が国の医療保険制度においては、疾病等に対する有効性、安全性等が確立した治療を保険適用の対象としている」、また、二から四までについてでは、「漢方薬は医療現場において一定の役割を担っており」との答弁があった。すなわち、「医療現場において一定の役割を担っている漢方薬を用いた治療は、疾病等に対する有効性、安全性等が確立した治療と判断される限りにおいては、今後も保険適用の対象外とされることはない」との理解でよいか、政府の見解如何。

二 前回答弁書二から四までについてで、「生薬の調達先が特定の国に集中して安定供給に支障が生じないよう、生薬の調達先の多様化を図ることが重要」として、厚生労働省における創薬基盤推進研究事業及び農林水産省における薬用作物等地域特産作物産地確立支援事業の施策等を講ずることで、薬用作物等の国内栽培を推進している旨答弁があった。一方、原料生薬の自給率については、「政府としては、生薬の自給率の目標値等の設定はしていない」との答弁であった。薬用作物等の国内栽培を推進する施策等を講じても、生薬の自給率の目標値等を政府として設定しないままでは、その施策の実効性や有用性を評価できないのではないか、政府の見解を示されたい。加えて、他にこれら施策の実効性や有用性を評価するのに用いられ得る目標値等を、政府として設定しているのであれば具体的に示されたい。

三 前回答弁書五についてで、原料生薬の性状に関する基準や異物、残留農薬、重金属、ヒ素等の純度試験に関する基準等については、日本薬局方において生薬ごとに定められ、最新の科学的な知見を踏まえ、五年に一度全面改正するとともに必要に応じて随時改正している旨答弁があったが、日本薬局方における原料生薬の純度試験に関する基準に放射性物質の基準は存在するのか明らかにされたい。存在しない場合は、次期全面改正時あるいは必要に応じて行われるという随時改正時に新たに盛り込まれることになるのか、原料生薬の純度試験に関する基準等に放射性物質の基準を設ける必要性に関する政府の見解を明確に示されたい。

  右質問する。