質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一二六号

国債金利リスクに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年四月三十日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   国債金利リスクに関する質問主意書

 バーゼル銀行監督委員会が導入を検討している銀行保有資産の金利リスクに関する規制で、国内行の適用対象が三大メガバンクだけでなく、一部の有力地方銀行や信託銀行も含む全ての国際基準行となる方向が明確になってきた。バーゼル合意に基づく国際統一基準では、銀行が達成すべき自己資本比率を八%以上と定める一方、国内基準では、自己資本比率を四%以上と定めている。また、現在はリスクゼロとされている自国の国債がリスク資産とみなされるため、国債の保有残高に応じて資本を積み増す必要性が生じる。日本銀行の統計によると、二〇一四年末時点の国内行全体の国債保有額は約百二十一兆円で、三大メガバンクの持分である約七十七兆円を除いた約四十四兆円を有力地方銀行などが保有する。これに関し、以下質問する。

一 資本積み増しの必要性が生じれば、リスク資産になる国債売却が迫られるのではないかという懸念が指摘される。不測の事態に備えて、あらかじめ国内行に対する自己資本比率の基準を上げるなど規制を強化する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 日本銀行の「異次元緩和」は国債購入枠を年間八十兆円に広げているが、物価上昇目標の「二年程度で二%」の実現が遠いことから、追加緩和を求める声が出ている。一方で、これ以上の緩和拡大は世界から財政ファイナンスとみなされるとの指摘もある。物価上昇目標の二%達成はどの時点までに可能と考えるか、政府の見解を示されたい。

三 内閣府は本年二月、「中長期の経済財政に関する試算」を経済財政諮問会議に提出し、二〇二〇年度の基礎的財政収支について、名目経済成長率三%、消費税率十%でも黒字化は困難であると試算している。目標を掲げたまま黒字化が達成できなければ、国際的な信用問題に発展する可能性があるが、二〇二〇年度の黒字化目標は現状でも変わらないか、明らかにされたい。

四 海外投資家の国債保有比率が上昇を続けており、二〇一四年末の時点で九・三%、九十五兆円余に上る。国富を守る観点から、海外投資家が売り浴びせた場合に政府あるいは日本銀行にどのようなリスク回避手段があると考えるか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。