質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇五号

「北朝鮮当局による人権侵害問題」に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年四月十三日

有田 芳生   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   「北朝鮮当局による人権侵害問題」に関する再質問主意書

 平成二十七年三月三十一日付けで私が提出した「北朝鮮当局による人権侵害問題」に関する質問主意書(第百八十九回国会質問第九一号)に対する政府答弁書(内閣参質一八九第九一号。以下「答弁書」とする)について質問します。

一 政府は、答弁書二についてで、「その全てを包括的にお答えすることは困難であるが、国際社会において北朝鮮による広範な人権侵害が指摘されていると承知している」と答えています。この北朝鮮による広範な人権侵害とは、日本がEU等と共同して提出している北朝鮮人権状況に関する国連総会決議や人権理事会決議に記述されている拉致問題をふくむ北朝鮮における深刻な人権侵害のことと理解してよろしいですか。

二 外務省ホームページにある「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)最終報告書」(以下「最終報告書」とする)によると、北朝鮮による組織的で広範かつ深刻な人権侵害として、①食料の権利に対する侵害、②強制収容所に関連したさまざまな侵害、③拷問及び非人道的な取扱い、④恣意的な拘束及び拘禁、⑤差別、特に基本的人権及び基本的自由の組織的な否定及び侵害、⑥表現の自由に対する侵害、⑦生存権の侵害、⑧移動の自由に対する侵害、⑨外国人の拉致を含む強制失踪の九分野(以下「九分野」とする)を列挙しています。答弁書において政府のいう「北朝鮮による広範な人権侵害」とは、最終報告書にある九分野のことですか。

三 最終報告書にある「調査委員会の主な調査結果」において、「調査委員会は、北朝鮮による組織的、広範かつ重大な人権侵害がこれまで行われてきており、また、現在も行われていることを明らかにした。判明した侵害は多くの場合、国策に基づいた人道に対する罪を伴っていた」と記述されています。政府は、九分野は人道に対する罪であるとお考えですか、政府の見解をお示し下さい。

四 政府は、今後の人権教育・啓発における「北朝鮮当局による人権侵害問題」への取り組みとして、いわゆる日本人妻問題に加え、最終報告書にある九分野についてもこれを人道に対する罪として広く国民に人権教育と啓発をしていくものと理解してよろしいですか。

五 政府は、今後の人権教育・啓発における「北朝鮮当局による人権侵害問題」への取り組みとして、拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題の全てが解決しない限り広く国民に人権教育と啓発をしていくものと理解してよろしいですか。

  右質問する。