質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第九四号

核融合発電に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年四月二日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   核融合発電に関する質問主意書

 水素など軽い原子核を融合して重い原子核を作り出し大量のエネルギーを放出する核融合は、太陽のエネルギー源でもあり、これを地上で再現できれば無限のエネルギーが取り出せるとして各国で研究が進められている。核融合で生じるプラズマは消滅するので、核分裂を利用した原子力発電(以下「原発」という。)よりも安全とされており、エネルギー資源の少ない我が国にとって、夢の技術ともいえる。これに関し、以下質問する。

一 研究開発が進んで電力としての実現見通しが立った場合、使用済み核燃料廃棄物が生じる原発や核燃料サイクルの研究開発を見直すことになるのか否か。将来のエネルギー政策の根幹に関わる重要なテーマと考えられるので、明確に政府の見解を示されたい。

二 次世代に重い課題を残さないという点では、原発よりも魅力的な研究分野であり、実用性の薄い高速増殖炉や高速炉に投じている研究開発費を、核融合に大きくシフトすることが我が国エネルギー政策の将来に有用かつ安全であると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 昨年十月、米国ロッキード・マーチン社が、十年以内に小型の核融合炉を実用化できると発表した。一年で設計やテストを完了し、五年以内にプロトタイプを試作するとしている。大学共同利用機関法人自然科学研究機構核融合科学研究所や国際熱核融合実験炉(ITER)計画に着手しているイーター国際核融合エネルギー機構においては、核融合炉実用化の有無を見通すにはあと三十年かかるとしており、かなりの開きがある。あと何年で核融合炉実用化の有無を見通せると考えているのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。