質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第八七号

選挙権年齢等の引下げに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年三月二十三日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   選挙権年齢等の引下げに関する質問主意書

 「二十歳以上」の選挙権年齢を「十八歳以上」に引き下げる公職選挙法改正案が超党派で提出された。また、憲法改正の是非を問う国民投票の投票権年齢を来夏までに「十八歳以上」に引き下げる国民投票法改正案も提出される見通しとなっており、同法案が成立すれば二〇一八年六月よりも前倒しで引き下げられることになる。これに伴い、様々な年齢制限の引下げが国民的関心事となっていることに関連して、以下質問する。

一 昨年末の総選挙では二十歳代の投票率が三十二・五八%と、三人に一人しか投票しなかった。若年層の投票率が極めて低い現状にあって、若者に門戸を広げる選挙権年齢の引下げは、政治離れを食い止める上でも大きな意味がある一方で、未熟な政治的判断能力に疑問を投げかける声もある。日本では小中高の各学校教育で、社会科の公民分野として政治について学習する機会があるが、いずれも知識の詰め込み型で、選挙についての学習もほとんど行われていない。選挙権年齢が下がるのを機会に、総合的な学習の時間で優先的に扱うなど学校における政治教育の学習時間や学習方法を見直すことも検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 欧米の中学や高校では模擬選挙や校内討論会を開催し、政策の研究や選挙の実践を主体的に学び、国民主権の当事者意識を養うことで、政治がより身近で大切なものとして理解される。日本では各校で生徒会の役員選挙が行われる機会はあるものの、国政をテーマにして選挙を主体的に考える機会がほとんどない。義務教育の段階で模擬選挙を行い、政治的関心を高めることが日本においても大きな意義があると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法第三条で、教育職員に対し「教育を利用し、特定の政党その他の政治的団体(中略)の政治的勢力の伸長又は減退に資する目的をもつて(中略)義務教育諸学校の児童又は生徒に対して、特定の政党等を支持させ、又はこれに反対させる教育を行うことを教唆し、又はせん動してはならない」とある。模擬選挙や校内討論会を行い政策を戦わせる試みは、前段の目的には当たらないため何ら問題はないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

四 選挙権年齢引下げに合わせて民法第四条にうたう成人年齢も十八歳に引き下げるべきとする議論がある一方で、関連法令は二百本にも上る。関連法令が多い場合、大本の民法を改正し一斉に関連法令を改正すべきか、あるいは個々に検討すべきか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。