質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第八三号

七・一閣議決定における内閣法制局設置法上の意見事務の実態等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年三月十六日

小西 洋之   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   七・一閣議決定における内閣法制局設置法上の意見事務の実態等に関する質問主意書

一 安倍内閣においては、平成二十六年七月一日における閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(以下「七・一閣議決定」という。)に際し、集団的自衛権行使容認の憲法第九条の解釈変更において、事前に、当該解釈変更に係る起案部局である内閣官房国家安全保障局から内閣法制局に対しては、「内閣法制局に意見を求めた際の資料は、閣議決定文書の案を除き存在しません。なお、与党協議会に提出した資料については、内閣法制局とも共有しています。」と、先に、情報公開法の手続により開示した平成二十六年十一月六日の参議院外交防衛委員会における私の質問通告への答弁資料において明らかにしている。
 ここで、この「閣議決定文書の案」は何月何日の何時頃に内閣法制局に提出され、それに対し、内閣法制局はいかなる官職の者が携わって内閣法制局設置法で定める意見事務を行い、意見事務の審査終了の後の何月何日の何時頃にいかなる手続(文書の交付や電話連絡など)でどのような内容の回答を行ったのか、具体的かつ詳細に示されたい。なお、「何時頃」か不明な場合は、午前、午後など可能な限り、具体的に示されたい。

二 安倍内閣においては、憲法の基本原則の一つである平和主義については、憲法前文第一段における「日本国民は、・・・政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」の部分並びに憲法前文第二段における「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」及び「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」の部分がその立場に立つことを宣明したものであり、憲法第九条がその理念を具体化した規定であると解している旨答弁している(平成二十七年一月九日の参議院議員小西洋之君提出憲法の平和主義及び憲法前文の趣旨等に関する質問に対する答弁書(内閣参質一八八第一六号))。
 ここで、前記一における国家安全保障局が内閣法制局と共有するとする「与党協議に提出した資料」のうちに、前記の三つの部分の文言(「日本国民は、・・・政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」の部分並びに憲法前文第二段における「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」及び「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」の部分における各「」内の文言をいう。)の記載(各文言が一つでも記載されている場合を含む)が存在する文書は存在するか。もし、存在する場合はその文書が提出された与党協議会の期日とその文書に記された表題(あるいは、それに該当するもの)を示されたい。なお、私は、全ての回の与党協議会に提出された全資料の写しを所有していること及びこれらの全資料における前記文言の有無の確認には私一人で一時間も要することはなかったことを付言する。

三 内閣法制局においては、前記一、二の事実関係を踏まえ、七・一閣議決定に際し、内閣法制局設置法上の意見事務を十全に遂行したと考えるか。

  右質問する。