質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第七六号

財産権の保障とキャピタル・コントロールの手法に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年三月十二日

大久保 勉   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   財産権の保障とキャピタル・コントロールの手法に関する質問主意書

 一九八〇年代前半のラテンアメリカ債務危機、九〇年代後半のアジア金融危機及びロシアルーブル危機並びに最近のキプロス危機等の対処方法として、新通貨への強制的転換、預金封鎖又は外貨交換制限等の様々な手法が採用され、国家債務危機からの脱却が図られている。日本国憲法は、第二十九条で公共の福祉と適合する範囲で財産権を保障しているところであるが、同条とキャピタル・コントロールの手法との適合性に関して、以下の質問をする。

一 国家債務危機から脱却する政策手段として、預金封鎖又は預金に対する課税は可能であるか。憲法第二十九条との関係を含め、政府の見解をそれぞれ示されたい。

二 現行の円を、経済的に過小な価値しか持たない新円に強制的に交換したり、円と等価値である新通貨への交換を著しく制限したりすることは、憲法第二十九条に違反しないか、政府の見解を示されたい。

三 円と米国ドル等の外貨との交換を停止することは、どのような場合に可能か。また、トービン税のように、通貨交換に対して課税することは、どのような目的で可能であるか、政府の見解を示されたい。

四 国家債務危機の対処策として、株式、不動産及び預金等の個人資産に対して一律に課税することは可能か。また、株式や不動産等、特定の資産に対して課税を行うことは可能か、政府の見解をそれぞれ示されたい。

  右質問する。