質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第六五号

介護報酬の引下げ及び介護職員賃金加算に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年三月四日

小見山 幸治   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   介護報酬の引下げ及び介護職員賃金加算に関する質問主意書

 平成二十七年度予算案によると、二〇一五年四月からの介護報酬は、介護職員の処遇改善加算(以下「今回の加算」という。)により、介護職員の給料が月額一万二千円加算されること等を含め、全体で二・二七パーセントの減となる予定である。
 そこで、以下質問する。

一 超高齢社会の介護費用は年々膨らむ一方、それを支える現役世代は減っており、介護費用全体の伸びを抑える必要がある。持続可能な社会保障を維持するために、公費の支出抑制は喫緊の課題である。

1 介護報酬の引下げにより事業者の収入が減少することで、人件費を抑える施設がでることが考えられる。その結果、人件費削減による人材不足及び職員の負担増加がサービスの質の低下につながる恐れはないのか、政府の見解を明らかにされたい。
2 社会福祉法人における内部留保は法人によって異なり、全ての法人が多額の留保を抱えているわけではない。介護報酬の引下げにより収益減となった法人に対するサポート体制は整えられているのか。
3 特別養護老人ホーム(以下「特養」という。)の待機者は、現在五十二万人と言われている。介護報酬引下げにより特養の経営が難しくなれば、施設数の減少などにより待機者はさらに増える恐れがあるが、この問題について政府の認識を示されたい。

二 厚生労働省「平成二十六年賃金構造基本統計調査」によると、介護職員の給料は他の職種や産業と比較し低い傾向にある。全産業の平均賃金が四十二・一歳で三十二万九千六百円であるのに対し、ホームヘルパーが四十四・七歳で二十二万七百円、福祉施設介護員は三十九・五歳で二十一万九千七百円となっている。介護職員不足が叫ばれる中、今回の加算は介護職員の確保や離職率減少のために不可欠である。

1 介護報酬の引下げにより、施設によっては利益が減少することも考えられる。今回の加算により基本給が上がったとしても、賞与が減額され、結果的に職員の給料が下がってしまうことにならないか、政府の見解を明らかにされたい。
2 介護報酬は、三年ごとに改定される。介護職員の定着、人材確保の為には今回の加算のような施策を継続して行うことが重要である。賃金加算の期間が限定され、今後も継続できなければ、介護業界の抱える問題の根本解決にはならないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。