質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第五一号

集団的自衛権の定義における「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年二月二十六日

櫻井 充   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   集団的自衛権の定義における「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に関する質問主意書

 私が昨年提出した「集団的自衛権に関する質問主意書」(第百八十七回国会質問第三五号)に対する答弁書(内閣参質一八七第三五号)において示された集団的自衛権の定義(以下「集団的自衛権の定義」という。)における「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」について、具体的にどういった事例について適用されるのか明確にする必要があると考えている。
 日本領土に他国から武力攻撃を受けることがあれば個別的自衛権を行使し、「自国と密接な関係にある外国」に対して武力攻撃がなされることがあれば集団的自衛権を行使する可能性がある。それでは第三国内においてその他の国若しくはISILのような国家以外の主体から以下に述べる対象が組織的計画的な武力の行使を受けた場合は、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」となり得るのか。定義を明らかにするため、以下質問する。

一 第三国にある「自国と密接な関係にある外国」の大使館がその他の国から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

二 第三国にある「自国と密接な関係にある外国」の軍事施設若しくは軍隊がその他の国から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 第三国内において「自国と密接な関係にある外国」の大統領若しくは政府要人がその他の国から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

四 第三国内において「自国と密接な関係にある外国」の国民がその他の国から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

五 第三国内において「自国と密接な関係にある外国」に本社機能を置く企業がその他の国から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

六 第三国にある「自国と密接な関係にある外国」の大使館がISILのような国家以外の主体から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

七 第三国にある「自国と密接な関係にある外国」にある軍事施設若しくは軍隊がISILのような国家以外の主体から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

八 第三国内において「自国と密接な関係にある外国」の大統領若しくは政府要人がISILのような国家以外の主体から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

九 第三国内において「自国と密接な関係にある外国」の国民がISILのような国家以外の主体から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

十 第三国内において「自国と密接な関係にある外国」に本社機能を置く企業がISILのような国家以外の主体から組織的計画的な武力の行使を受けた場合、集団的自衛権の定義にある「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃」に当たらないのか、政府の見解を明らかにされたい。

十一 今回の質問主意書で挙げた、第三国内における「自国と密接な関係にある外国」の大使館、軍事施設、軍隊、大統領、政府要人、国民、企業は、国際法において「武力攻撃」の対象として認定されうるのか、それぞれについて政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。