質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第四八号

社会保障関係費の「自然増」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年二月二十六日

中西 健治   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   社会保障関係費の「自然増」に関する質問主意書

 平成二十七年一月十四日、歳出総額九十六兆三千四百二十億円に及ぶ平成二十七年度一般会計予算政府案(以下「平成二十七年度予算案」という。)が閣議決定された。
 平成二十七年度予算案では、社会保障関係費として三十一兆五千二百九十七億円が計上されており、一般会計歳出総額に占める割合は三十二・七パーセントと、およそ三分の一を占めるに至っている。
 また、前年度予算における社会保障関係費と比較しても、一兆三十億円の増加(三・三パーセント増加)が認められ、社会保障関係費の抑制が財政健全化に向けた課題となっている。
 これに先立ち、政府は、「平成二十七年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(平成二十六年七月二十五日閣議了解。以下「基本方針」という。)において、年金・医療等に係る経費について、「高齢化等に伴ういわゆる自然増として八千三百億円を加算した額の範囲内において、要求する。(中略)上記自然増について高齢化による増加とそれ以外の要因による増加などその内容を厳しく精査していく(以下略)。」という方針を示している。
 この基本方針から、政府は、社会保障関係費の増加を、「高齢化等に伴ういわゆる自然増」とそれ以外の増加に分けて捉えていること、さらには「高齢化等に伴ういわゆる自然増」を「高齢化による増加」と「それ以外の要因による増加」に分けて捉えていることが伺われる。
 一般的に「自然増」とは、「成り行きのままにしておいて増えること」(「大辞林」第三版)と解されるため、「高齢化」といった不可避的な要因による「自然増」と捉えた場合、その増加は不可避的な要因によるやむを得ないものという意識が働き、歳出抑制への努力が働きにくくなることが考えられる。
 しかし、基本方針にも示されているように、「高齢化等に伴ういわゆる自然増」であっても、その内容を厳しく精査していくことが求められる。
 そこで、以下質問する。

一 社会保障関係費における「高齢化等に伴ういわゆる自然増」と認められるための要件について、政府の見解を明らかにされたい。

二 社会保障関係費における「高齢化等に伴ういわゆる自然増」のうち、「高齢化による増加」と認められるための要件について、政府の見解を明らかにされたい。

三 医療における報酬改定及び医療の高度化並びに介護におけるサービスの充実に基づく社会保障関係費の増加は、それぞれ「高齢化等に伴ういわゆる自然増」に含まれるのか、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。