質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第三八号

北朝鮮による日本人拉致問題に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年二月二十三日

有田 芳生   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   北朝鮮による日本人拉致問題に関する再質問主意書

 私が平成二十七年二月十日付けで提出した「北朝鮮による日本人拉致問題に関する質問主意書」(第百八十九回国会質問第二二号)に対する、二月二十日付けの政府答弁書(内閣参質一八九第二二号。以下「答弁書」とする)を受け、北朝鮮による日本人拉致問題に関し、以下再質問します。

一 政府は、答弁書一及び二についてにある「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案」について、平成二十七年二月一日現在で何件何名存在すると把握していますか。

二 政府は、答弁書一及び二についての中で「これまでのところ、北朝鮮による拉致行為があったことを確認するには至っていない」と述べています。これは前記一でお尋ねした「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案」のすべてにおいて現時点では確認するには至っていないと答弁しているのですか。

三 政府は、平成二十年十月十五日付けの「拉致問題における今後の対応」において、「「特定失踪者」にかかる事案を含め、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に関する捜査・調査等を引き続き全力で推進していく」としています。また、平成二十五年一月二十五日付けの「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」において、「④拉致の可能性を排除できない事案に係る捜査・調査を徹底するとともに、拉致実行犯に係る国際捜査を含む捜査等を継続する」としています。
 ところが、これだけ徹底した捜査・調査を継続しているにも関わらず、政府認定拉致被害者が十七名から一向に増えないことに対し、特定失踪者家族のなかから「国民が納めた税金を無駄遣いしている」との厳しい批判の声が出ています。政府はそうした認識をお持ちですか。

四 政府は、答弁書三についての中で、「お尋ねの特定失踪者の政府認定の意味するところが明らかでないことから、お答えすることは困難である」と述べています。ここで言う「特定失踪者」とは、答弁書五についての中にある「北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者」、及び平成二十六年五月二十九日の菅内閣官房長官記者会見にある「拉致の疑いが排除されない行方不明の方々」のことです。
 また、「政府認定」とは、平成二十五年一月二十五日に決定された「拉致問題の解決に向けた方針と具体的施策」にある「拉致被害者としての認定の有無にかかわらず」の「認定」のことです。
 以上の説明を踏まえ再度お尋ねします。現在、全国に存在する特定失踪者の政府認定がなされないことは、関係機関の捜査・調査の積み上げの結果によるものと理解してよろしいですか。

五 政府は、答弁書四についての中で、「拉致被害者を始めとする全ての日本人に関する包括的かつ全面的な調査を迅速に行い、その結果を速やかに通報するよう強く求めている」と述べています。これは北朝鮮側からの調査報告においては拉致問題を最優先するものではないと言明したと理解してよろしいですか。併せて、昨年十月三十一日に外務省の伊原純一アジア大洋州局長らが家族会等に対して行った北朝鮮特別調査委員会との協議に関する報告会において、「拉致問題が最優先課題であることを印象付けるため、特別調査委員会の委員長、各部会長に何度も言及した」ことを撤回したと理解してよろしいですか。

六 政府は、答弁書五についての中で、「必要に応じ、適宜適切に面談を行っているところである」と述べています。これは北朝鮮による拉致の可能性を排除できない者の家族が必要とした場合は適宜適切に面談に応じると理解してよろしいですか。

  右質問する。