質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第三一号

ウイグル支援に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年二月十六日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   ウイグル支援に関する質問主意書

 中国公安当局は一月十八日、昨年五月以降の密出国容疑による摘発キャンペーンの結果を発表した。それによると、中国南西部の国境地帯から密出国を図ったとして八百五十二人を、これを手助けしたとして三百五十二人を検挙したとのことである。密出国を図った大半は新疆ウイグル自治区のイスラム教徒のウイグル人とみられる。公安当局はウイグル独立派組織が、シリアなどで「聖戦」に参加するよう扇動していると主張している。これに関し、以下質問する。

一 世界的な反テロリズムの流れを利用して中国国内で民族浄化が行われているとして、「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長が来日し支援を求めたが、ウイグル自治区での中国の政策が人権問題に当たると考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

二 中国公安当局は昨年七月末、新疆ウイグル自治区のカシュガル地区ヤルカンド県で「暴動」が発生し、九十六人が犠牲になったと発表した。しかし、ラビア議長はこの事件で、ウイグル人だけで少なくとも二千人以上が中国の治安部隊に殺害されたと主張しており、当局の数字と大きな隔たりが見られる。また、同自治区では昨年一年間に二万七千人以上が何らかの容疑で逮捕され、逮捕者数は前年と比べて約二倍になったという。ウイグル人に対する中国の政策について、政府は具体的な内容をどこまで正確に把握しているか、その内容を示されたい。

三 二〇〇九年以降、タイ、マレーシア、カンボジアなど東南アジアで拘束される不法入国者のうちウイグル人が最も多く、その殆どは中国に送還されるという。昨年三月、ウイグル人の難民約二百人がタイ南部で見つかった際、米国国務省はウイグル人の救出を歓迎するとし、タイ政府が人道的な要求を満たすよう促すとコメントした。タイ政府始め難民流入国に対しどういった対応を望むのか、政府の見解を示されたい。

四 ウイグル人難民が救出を求めて日本国内に不法入国した場合、どのような対応を検討しているか示されたい。また、政府が把握しているウイグル人は日本国内に何人いるのか示されたい。

  右質問する。