質問主意書

第189回国会(常会)

質問主意書


質問第一五号

日本銀行の量的・質的緩和に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十七年二月三日

大久保 勉   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   日本銀行の量的・質的緩和に関する質問主意書

 日本銀行は、平成二十六年十月三十一日の政策委員会・金融政策決定会合において、「今後も、日本銀行は、二パーセントの「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続する」と決定した。また、日本銀行のバランスシートの見通しとして、今後の年間増加ペースについて、長期国債はプラス約八十兆円、ETFはプラス約三兆円、J-REITはプラス約九百億円と表明している。
 この量的・質的緩和について、以下質問する。

一 日本銀行による長期間の資産買入れ額の拡大がもたらす累積的効果として、我が国通貨の価値の下落及び過度なインフレーションによる国民生活への悪影響を引き起こす可能性を否定できないこともあり、日本銀行が説明責任を従前に増して果たすことが望ましいと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 平成二十六年末における、日本銀行の総資産並びに長期国債、ETF及びJ-REITの保有額の実績値を、それぞれの種別毎に示されたい。

三 日本銀行は、消費者物価指数の前年比上昇率二パーセントの「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで資産買入れ額の拡大を行うとしているが、平成二十七年から平成三十六年までの各年末における、長期国債、ETF及びJ-REITについて、それぞれの保有金額の理論値を、年毎に示されたい。また、各年末における日本銀行総資産の対名目GDP比率(以下「GDP比率」という。)も、それぞれの年毎に示されたい。

四 日本銀行による資産買入れ額の拡大が継続された場合、GDP比率が過度に大きくなると考えるが、これに対する政府の見解を示されたい。なお、政府若しくは日本銀行が、GDP比率の上限を設定しているのであれば、示されたい。

五 平成二十六年末において、我が国の国債発行残高に対する日本銀行の保有する国債の比率(以下「国債比率」という。)を示されたい。また、日本銀行による資産買入れ額の拡大が継続され、かつ平成三十二年度までに基礎的財政収支を黒字化する財政健全化目標が国際公約としても達成されると仮定した場合、平成二十七年から平成三十六年までの各年末における、国債比率の推定値をそれぞれの年毎に示されたい。

六 政府の財政・金融政策及び日本銀行の金融政策については、国民への説明責任をそれぞれ負っていると考えるが、これに対する政府の見解を示されたい。なお、前記二から五における値や比率等を政府が示さない場合は、量的・質的緩和がもたらす長期国債、ETF及びJ-REITへの影響に関する国民への説明責任を果たしていないことから、質問中で示した各時点までに二パーセントの「物価安定の目標」を安定的に持続することが達成できなかった場合でも、量的・質的緩和を解除せざるを得なくなると政府が判断していると考えるが、この点について政府の見解を併せて示されたい。

  右質問する。