質問主意書

第188回国会(特別会)

質問主意書


質問第七号

エボラ出血熱対策への自衛隊による支援に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十二月二十四日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   エボラ出血熱対策への自衛隊による支援に関する質問主意書

 西アフリカを中心に感染が広がっているエボラ出血熱は、現時点では感染者は現地に集中しているものの、アフリカ以外にも影響を及ぼす重大な課題であり、国際社会はワクチン開発を含めあらゆる取り組みを行うべきである。
 平成二十六年十月十五日からミラノで行われた第十回アジア欧州会合でも、安倍首相はエボラ出血熱対策への追加支援の検討を表明しており、エボラ出血熱は「連結された世界におけるグローバル課題」の一つであるといえる。
 これを受けた具体的な取り組みの一つとして、十一月二十八日に政府は、西アフリカで流行しているエボラ出血熱の感染拡大防止に向けて、航空自衛隊の輸送機で防護服を輸送することを決定した。これを受けて江渡防衛大臣は自衛隊の派遣命令を出した。エボラ出血熱対策で自衛隊を派遣するのは初めてのことであり、我が国の「連結された世界におけるグローバル課題」への取り組みとして評価されるべきである。
 このような観点から、以下質問する。

一 自衛隊員がエボラ出血熱対策で国外に派遣される場合、根拠となる法律の条文はどれに当たり、どのような業務として位置付けられるのか、具体的に示されたい。

二 今回の防護服の輸送はリベリアやシエラレオネの政府からの要請を受けて防護服を供給するもので、約二万着の防護服を航空自衛隊のKC767輸送機でガーナまで輸送し、感染国までの陸上輸送は国連などに委ねる方針であることが報じられている。これに掛かる経費はどの程度のものか、具体的に示されたい。

三 世界におけるグローバル課題への人道的な対応という目的のみならず、自衛隊員が感染地域での医療支援等に派遣され、知見を積むことは、感染リスクがあるものの、将来、我が国での危険な感染症が発生した場合の対処行動を行う場合には欠かせない。十分な感染防止策を講じた上で、エボラ出血熱の感染地域での医療支援等に自衛隊の活用を行うべきだと思われるが、政府の見解を示されたい。

四 エボラ出血熱の感染地域で自衛隊員を感染症患者の医療支援や感染拡大防止のための死亡者の埋葬などに従事させる場合、根拠となる法律の条文はどれか、具体的に示されたい。

  右質問する。