質問主意書

第187回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三三号

内閣参質一八七第三三号
  平成二十六年十月二十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員浜田和幸君提出急拡大するエボラ出血熱に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田和幸君提出急拡大するエボラ出血熱に関する質問に対する答弁書

一について

 国内でエボラ出血熱に感染した疑いのある患者(以下「疑い患者」という。)が発生した場合、国立感染症研究所村山庁舎において、疑い患者から採取された血液等の検体の検査を実施することで、お尋ねの確実に感染しているとの判断を行うことが可能である。
 一方、患者の検体から分離されたエボラウイルスを取り扱う試験研究については、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第五十六条の三第一項第一号に規定する厚生労働大臣が指定する施設(以下「一種病原体等取扱施設」という。)においてのみ行うことが可能であるところ、御指摘の国立感染症研究所村山庁舎及び独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンターは、一種病原体等取扱施設としては指定されていないため、当該試験研究を行うことはできない。
 一種病原体等取扱施設における試験研究は、ウイルスの特性に応じた対策を行う上で極めて重要であることから、国立感染症研究所村山庁舎については、地元関係者の理解を得て早期に一種病原体等取扱施設として指定ができるよう、尽力してまいりたい。

二について

 エボラ出血熱については、感染した人のウイルスを含む体液等に直接接触することにより感染する疾病であり、米国疾病対策予防センター等の知見によれば、御指摘の吐物が飛沫状になって感染する可能性は否定できないものの、インフルエンザのように飛沫により容易に感染するものではないとされており、引き続き、適切に情報提供を行ってまいりたい。

三について

 お尋ねの医薬品については、催奇形性等の副作用が懸念されており、かつ、エボラ出血熱の治療薬としては、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条第一項の規定に基づく製造販売の承認を受けていない。万が一、国内でエボラ出血熱の患者が発生した場合には、本剤を医師の判断により緊急に使用することも考えられるが、厚生労働省としては、その使用について、専門家による検討を踏まえ、助言を行うこととしている。
 また、富山化学工業株式会社では、平成二十六年十月二十日時点で、約二万人分のアビガン錠及び約三十万人分の原薬を保有しており、今後更なる使用に備えて追加生産を行う予定であると承知しているが、お尋ねの生産・供給ペースを最大限どの程度高めることが可能かについては、承知していない。