質問主意書

第187回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一〇五号

内閣法制局長官と法の支配に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十一月二十一日

小西 洋之   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   内閣法制局長官と法の支配に関する質問主意書

一 いわゆる法の支配の原理と議院内閣制における国会審議との関係について、安倍内閣の見解を示されたい。

二 横畠内閣法制局長官の先輩である高辻元内閣法制局長官は「法の番人」と称される内閣法制局の在り方として、「法律上の意見の開陳は、法律的良心により是なりと信ずるところに従ってすべきであって、時の内閣の政策的意図に盲従し、何が政府にとって好都合であるかという利害の見地に立ってその場をしのぐというような無節操な態度ですべきではない。」(「内閣法制局のあらまし」、「時の法令」七百九十三号)と述べている。
 こうした法の支配の原理を守るための内閣法制局長官の役割について、横畠内閣法制局長官が認識しているところを確認し(いわゆる自民党憲法草案とは異なり基本的人権の尊重を基本原理とする日本国憲法の下、あくまでも本人の自由意思を尊重しつつも仮に本人が自ら望んでそうするならば「胸に手を当てて」その認識の自省を求めた上でそれを聴取し)、政府として答弁されたい。

三 平成二十六年十一月六日の参議院外交防衛委員会の質疑において、横畠内閣法制局長官は憲法第九条において集団的自衛権行使が許容される理由及び根拠を規定したいわゆる「武力行使の新三要件」の文言の解釈について、十回連続で答弁拒否を行っている。これは、国会審議を否定する、議会政治における空前絶後の暴挙であると認識せざるを得ない。横畠内閣法制局長官は「法の支配の番人」なのか、それとも、現在霞ヶ関の省庁を始めとして社会的に疑念が広がっているとされるように血税により年収三千万円前後の報酬を得ている「安倍総理の顧問弁護士」なのか、横畠内閣法制局長官が認識しているところを確認し、政府として答弁されたい。

四 平成二十六年十一月十八日の参議院外交防衛委員会の質疑において、岸田外務大臣及び江渡防衛大臣は、前記三で指摘した横畠内閣法制局長官が答弁拒否した事項について何ら具体的な憲法解釈としての説明を行うことができなかった。
 集団的自衛権行使が許容される理由及び根拠を規定した文言の解釈について、担当大臣においては具体的な説明ができず、また、内閣法制局長官においてはその具体的内容の答弁を拒否することは、いわゆる「武力行使の新三要件」が歯止め無き無限定な武力行使を許容する鵺のような法規範であることを証しているのではないか。

  右質問する。