質問主意書

第187回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九〇号

日本芸術院及び公益社団法人日展の改革の進展に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十一月十八日

大久保 勉   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   日本芸術院及び公益社団法人日展の改革の進展に関する質問主意書

 「参議院議員大久保勉君提出日本芸術院及び公益社団法人日展に関する質問に対する答弁書」(内閣参質一八六第一六一号。以下「答弁書」という。)及び昨今の日本芸術院及び公益社団法人日展(以下「日展」という。)をめぐる動きを踏まえ、以下質問する。

一 平成二十一年度の日本美術展覧会第五科の篆刻部門における会派別入選者数の事前配分等について日展外部調査委員会が提出した報告書を踏まえ、下村文部科学大臣は「私は、改めて文化庁に対して、この際、徹底的に膿(うみ)があれば出し切って、日展が国民に信頼される組織、あるいは、審査の体制が完全にでき上がったというような自助努力を日展に強く要請し、また、それに対してフォローアップをするようにということを文化庁に指示をいたしました。」と述べている。

1 政府は、「膿」は存在したと考えているのか。
2 政府は、現時点において日展は「膿」は出し切ったと考えているのか。

二 日展は、顧問による篆刻鑑査への介入の有無について調査する内部の調査委員会を設置し、本年七月、その報告書の結論部分をホームページに掲載した(現在は削除済み)。しかし、その後日展において慎重に検討した結果、第三者委員会とは別の調査委員会を内部で設置したこと及びその報告書を承認したことは誤りであったとの結論を出している。

1 日展が、第一次第三者委員会で出された結論を内部の調査委員会で覆そうとしたことは、公益社団法人の内部統制として問題があるのではないか。内部調査委員会に関する一連の日展の対応について、政府の見解を明らかにされたい。
2 政府として、今後の日展の在り方を考えていく基礎となるのは、第一次、第二次の第三者委員会報告、さらには日展自身が決定した改革案によるとの立場で差し支えないか、明らかにされたい。

三 日展が決定した改革案に関し、政府の評価を明らかにされたい。また、本年度の日展の審査、選考等において、この改革案は全体として適切に適用されていると考えているか、併せて明らかにされたい。

四 文化庁は、今後、日本芸術院会員選挙の候補者から日展関係者を外すよう、日本芸術院に要望したとの報道がなされている。

1 同報道は事実か、明らかにされたい。また、事実とすれば、どのような意図か、明らかにされたい。
2 このような要望を受けて、日本芸術院は部会による推薦を取りやめたとされているが、このような文化庁の要望は恒久的なものか、明らかにされたい。恒久的なものでないとすれば、どのような状況になれば、要望は取り下げられるのか、併せて明らかにされたい。
3 日本芸術院会員は、日本芸術院の各部会が推薦し、総会の承認を経た候補者につき、院長の申出により、文部科学大臣が任命することとなっている。各部会の現会員による推薦を前提とする限り、各部会の現会員との接触がない者については推薦されることが難しいと思われるところ、このプロセスの過程に第三者の視点を盛り込み、幅広い芸術家から選考されるような方法が適当ではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 答弁書の内容について、日本芸術院会員に周知をされているか、明らかにされたい。

六 芸術団体が開催する芸術展につき、文部科学省に対して、後援又は文部科学大臣賞の申込みがされることがある。過去十年間で、何件の申込みがあり、何件を許可したのか、明らかにされたい。また、申込みを拒否したことがある場合、当該芸術団体にその理由を伝えているか、併せて明らかにされたい。

  右質問する。