質問主意書

第187回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五一号

シェールガス革命に伴う我が国の原油輸入の将来展望に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十月三十一日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   シェールガス革命に伴う我が国の原油輸入の将来展望に関する質問主意書

 現在、我が国は原油の輸入の八割以上を中東地域に依存しており、我が国のエネルギー安全保障の生命線である長大な海上輸送路は複雑な国際政治状況下の国々の沿岸を経由しており、大きな地政学的リスクを包含している。
 近年のシェールガス革命により、シェール層が国土のほぼ全域に広がっているアメリカでは、そこに埋蔵されているばく大な量の石油や天然ガスが採掘可能になった。本年、アメリカはサウジアラビアやロシアを抜いて、世界最大の産油国になった。
 このような観点から、以下質問する。

一 過去三年間のアメリカ、サウジアラビア、ロシアの原油及び天然ガスの産出量について政府の承知するところを示されたい。

二 現在、我が国のアメリカからの原油及び天然ガスの輸入量はどの程度か、過去三年間の数値を示されたい。

三 ペルシャ湾から東京湾に至る場合、平均的な原油タンカーであればどの程度の日数が必要であるのか。また、アメリカ西海岸から東京湾に至る場合、平均的な原油タンカーであればどの程度の日数で航行できると想定するか、具体的に示されたい。

四 現在、政府内の審議会や研究会で、エネルギー安全保障の将来展望のために、シェールガス革命に関連して、原油や天然ガスの輸入先の多様化を図るべく検証、議論は行われているのか、具体的に示されたい。

五 我が国の唯一の同盟国であるアメリカから原油や天然ガスを輸入することは、我が国のエネルギー安全保障の将来展望を考える上で欠かせない選択肢である。太平洋はアメリカ海軍の第七艦隊が遊弋し、地政学的にも極めて安定的な状況下にある。我が国のエネルギー安全保障の将来展望のためにも、地政学的リスクのできるだけ小さな地域からの原油や天然ガスの輸入比率を高めて輸入経路を多様化するように、積極的に政策誘導するべく取り組むことが国益の観点からも重要と考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。