第186回国会(常会)
答弁書第一九六号 内閣参質一八六第一九六号 平成二十六年六月二十七日 内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 山崎 正昭 殿 参議院議員小西洋之君提出平和的生存権と武力の行使に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員小西洋之君提出平和的生存権と武力の行使に関する質問に対する答弁書 一及び二について 御指摘のとおり、憲法前文は、憲法のそれぞれの条文を解釈する場合の解釈上の指針としての意味を持っていると理解している。 その上で、政府が憲法第九条の下でも武力の行使が許容される場合があることについて一貫して明らかにしてきている考え方の基本は、昭和四十七年十月十四日に参議院決算委員会に提出した資料のとおり、「憲法は、第九条において、同条にいわゆる戦争を放棄し、いわゆる戦力の保持を禁止しているが、前文において「全世界の国民が・・・平和のうちに生存する権利を有する」ことを確認し、また、第一三条において「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、・・・国政の上で、最大の尊重を必要とする」旨を定めていることからも、わが国がみずからの存立を全うし国民が平和のうちに生存することまでも放棄していないことは明らかであって、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとることを禁じているとはとうてい解されない。しかしながら、だからといって、平和主義をその基本原則とする憲法が、右にいう自衛のための措置を無制限に認めているとは解されないのであって、それは、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るための止むを得ない措置としてはじめて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためとられるべき必要最小限度の範囲にとどまるべきものである。」ということである。 |