質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三八号

内閣参質一八六第一三八号
  平成二十六年六月二十四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員福島みずほ君提出リニア中央新幹線事業の妥当性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出リニア中央新幹線事業の妥当性に関する質問に対する答弁書

一、五から八まで、十、十二及び十三について

 御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名並びに整備計画の決定に当たっては、国土交通大臣は、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号。以下「全幹法」という。)第十四条の二の規定に基づき、交通政策審議会に諮問を行っており、平成二十三年五月の同審議会の答申「中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名並びに整備計画の決定について」(以下「答申」という。)においては、中央新幹線の整備について、「三大都市圏間の高速かつ安定的な旅客輸送を中長期的に維持・強化するものであり、国民生活及び国家経済にとって極めて重要である。」及び「三大都市圏以外の沿線地域においても、三大都市圏とのアクセス利便性を向上させ、・・・地域振興に寄与することが期待される。」とされている。また、答申において、中央新幹線の事業特性及び東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)の事業遂行能力を「総合的に勘案し、東京・大阪間の営業主体及び建設主体としてJR東海を指名することが適当である。」とされたこと等を踏まえ、同大臣は、全幹法第六条の規定に基づき、中央新幹線の営業主体及び建設主体としてJR東海を指名するとともに、全幹法第七条の規定に基づき、走行方式等を含む「中央新幹線の建設に関する整備計画」を決定したものである。

二及び三について

 全幹法第二条において、新幹線鉄道は、その主たる区間を列車が二百キロメートル毎時以上の高速度で走行できる幹線鉄道をいう旨規定されており、その最高設計速度は、全幹法第七条に規定する整備計画において、走行方式等とともに定められるものである。

四について

 御指摘の「国策民営化プロジェクト」及び「国家プロジェクト」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

九について

 環境影響評価については、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)において、事業者が関係都道府県知事等の意見を勘案するとともに、環境の保全の見地からの意見を有する者の意見に配意し、環境影響評価書を作成する旨規定されており、国土交通省においては、JR東海から提出された「中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価書」について、環境の保全の見地からの意見を述べるため、現在、精査を行っているところである。
 また、答申において、「在来型新幹線方式と比較して、超電導リニア方式は、地震時などにおいて・・・安全確保上の大きな利点がある。なお、鉄道施設の耐震性は、在来型新幹線方式と同様である。」とされている。新幹線建設に伴うトンネルの掘削により地震が誘発されたという事象は承知していない。

十一について

 政府としては、御指摘のような方針転換を行ったという事実はない。