第186回国会(常会)
答弁書第八八号 内閣参質一八六第八八号 平成二十六年五月十三日 内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 山崎 正昭 殿 参議院議員福島みずほ君提出集団的自衛権並びに安保法制懇に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員福島みずほ君提出集団的自衛権並びに安保法制懇に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、我が国及び米国は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)第五条に基づき、我が国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が発生した場合、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処することとなる。 二について お尋ねについては、政府としてお答えする立場にない。 三から五までについて 御指摘の報告書は、平成十九年に開催された「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」における有識者の意見を取りまとめたものであり、その記述の根拠等について、政府としてお答えする立場にない。 米国艦艇の能力の詳細について、政府としてお答えすることは困難であるが、一般に、イージス・システムを搭載した艦艇が弾道ミサイルを追尾している場合には、弾道ミサイル以外の対艦ミサイルから自艦を防御するための能力が相対的に低下するものと承知している。 六について 御指摘の答弁は、イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号。以下「イラク特措法」という。)の解釈を述べたものであるが、イラク特措法は既に失効している。 七、九、十及び十三について 現時点で、憲法第九条に関する政府の解釈は従来どおりである。 他方、集団的自衛権等の問題については、現在、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(以下「懇談会」という。)において、前回の報告書が出されて以降、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることを踏まえ、我が国の平和と安全を維持するためどのように考えるべきかについて検討が行われているところであり、政府としては、懇談会から報告書が提出された後に、対応を改めて検討していく考えである。 八について 政府としては、自衛隊のイラクでの活動は、憲法の範囲内でイラク特措法に基づき適法に行われたものと認識している。 十一について お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の答弁は、国際法上、一般に、軍艦及び非商業的目的のために運航するその他の政府船舶は、旗国以外の国の管轄権からの免除を有しているとの認識を踏まえたものであり、このような認識に変わりはない。 十二について お尋ねの事案の当事国ではない我が国としては、事実関係を十分把握することが困難なこともあり、お答えすることは差し控えたい。 十四について 御指摘の「他国防衛のために武力行使をした場合」及び「戦争の当事国」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お尋ねについてお答えすることは困難である。 十五について 懇談会は、憲法と安全保障に関する法制度との関係について検討していただくため、それにふさわしい深い見識を有する者から構成しており、「偏ったメンバー」によって議論されているとの御指摘は当たらない。 |