質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第六二号

内閣参質一八六第六二号
  平成二十六年四月十八日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員藤田幸久君提出敗戦直後からの確定債務・休眠口座などの現状に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤田幸久君提出敗戦直後からの確定債務・休眠口座などの現状に関する第三回質問に対する答弁書

一の1について

 先の答弁書(平成二十六年三月二十日内閣参質一八六第四二号。以下「前々回答弁書」という。)一及び四についてでお答えした「引揚者等から寄託された旧日本銀行券、国債・・・等、約百八万四千七百件」(以下「寄託された旧日本銀行券、国債等」という。)の総額については、調査に膨大な時間を要することから、お答えすることは困難である。

一の2について

 臨時軍事費特別会計法(昭和十二年法律第八十五号)により設置された旧臨時軍事費特別会計の債務のうち、閉鎖機関に関する債権の時効等の特例に関する政令(昭和二十三年政令第二百六十四号)等に基づき時効が完成しないものとされたものは、外資金庫に対する債務三百八十億二千百九十六万千五百七十五円及び横浜正金銀行に対する債務三十四億円である。同金庫に対する債務は、同金庫設立以前において、同特別会計が軍事費調達のため、同行等から借り入れたものについて、同金庫設立後、同金庫が同行等から当該借入れに係る債権を譲り受けたことにより生じたものである。また、同行に対する債務は、戦時中、同特別会計が軍事費調達のため、同行から借り入れたものである。

一の3について

 寄託された旧日本銀行券、国債等については、外国為替管理法(昭和十六年法律第八十三号)等に基づき輸入を禁止又は制限されたもの等について引揚者等から寄託されたものであり、その寄託に際しては、保管証等の証書を交付していたものと承知している。

一の4について

 お尋ねの「「引揚者等から寄託された旧日本銀行券、国債等及び外国通貨等」の払戻しや返還を求める際の財務省の受付窓口」については、寄託された旧日本銀行券、国債等については税関及び財務局であり、前々回答弁書一及び四についてでお答えした「旧連合国軍総司令部から引き渡された旧日本銀行券等」については財務省本省である。また、お尋ねの「返還方法」については、政府広報オンラインや税関のホームページ等により周知・広報を行っているところである。

二の1及び2について

 お尋ねの「台湾関係の確定債務」については、平成七年十月二日から平成十二年三月三十一日までの間(以下「当該期間」という。)になされた請求の確認作業を通じ、請求のあった債務について日本政府としてその金額及び件数を把握するに至ったものであり、平成七年十月二日の請求受付開始前においては、正確な件数及び総額については把握していなかったところであるが、平成六年十二月時点で、債務件数は約四百四十七万件、債務額は約二億九千四百九万円と推定していたところである。また、お尋ねの「二○○○年(平成十二年)に支払いを終え、その後消滅した確定債務」の意味するところが必ずしも明らかではないが、当該期間になされた請求に応じて支払われた件数及び総額については、先の答弁書(平成二十六年四月四日内閣参質一八六第五三号。以下「前回答弁書」という。)四についてでお答えしたとおりである。

二の3について

 お尋ねについては、前回答弁書四についてでお答えした「元日本軍人及び軍属に係る未支給給与等」、「軍事郵便貯金及び外地郵便貯金」及び「簡易生命保険(中略)及び郵便年金契約」について、それぞれ総額約六十八億八千二百五十五万円、約三十九億八十五万円及び約十九億三千五十二万円が国の予算により支払われたものと認識している。

二の4について

 お尋ねの「台湾関係の確定債務」の支払については、特段の立法措置は講じられていない。

二の5について

 お尋ねの「賠償並びに戦後処理の一環としてなされた経済協力及び支払い等」と題した資料については、主として国家間の条約等に基づき行われた賠償並びに経済協力及び支払等をまとめたものである。

二の6について

 お尋ねの「要望や要請」の意味するところが必ずしも明らかではないが、平成十二年四月一日以降、公益財団法人交流協会の台北事務所において、台湾住民の方から「台湾関係の確定債務」の存在の有無等について照会を受け、債務の種類に応じて所管の省庁又はその債務を有する機関に照会を行っていると聞いている。個別の照会の内容及び対応については、相手方との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。

三及び四の1について

 お尋ねの「確定債務」の具体的な範囲が必ずしも明らかではないが、一般的に、我が国が支払義務を負う債務については、必ずしも国籍別に管理を行っている訳ではなく、特定の国籍の保有者を債権者とする債務の件数及び総額についてお答えすることは困難である。

四の2について

 中華人民共和国政府に対して、「中国籍者の確定債務に関するデータ」を提供したことはない。

五について

 政府としては、未払の債務については、債務の種類に応じて所管の省庁又はその債務を有する機関において債務の履行を行うことを基本的な方針としており、引き続き所要の対応をしてまいりたい。