質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第五七号

内閣参質一八六第五七号
  平成二十六年四月十一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員前川清成君提出商品先物取引における「不招請勧誘」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員前川清成君提出商品先物取引における「不招請勧誘」に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、経済産業省及び農林水産省における苦情受付件数、独立行政法人国民生活センターが運営する全国消費生活情報ネットワーク・システムに集約された消費生活相談情報等を通じ、商品先物取引の被害の実態把握に努めているところであり、商品先物取引に関する苦情及び相談の件数は、減少傾向にあるものと認識している。

二及び七について

 商品先物取引の取引量については、平成十六年から平成二十五年まで減少しており、その原因としては、平成十七年五月一日に施行された商品取引所法の一部を改正する法律(平成十六年法律第四十三号)により導入された再勧誘禁止規定等の累次の行為規制の強化等が考えられるが、商品先物取引を行う者によってその取引の内容、方法、結果等が様々であり、また、商品先物取引に伴う経済効果は様々な者に及ぶことから、お尋ねの商品先物取引の取引量が減少して手数料収入が減少した者、不招請勧誘禁止規定によって商品先物取引による被害を免れた者及び不招請勧誘禁止規定を廃止することにより利益を受ける者又は犠牲となる者について、特定することは困難である。

三について

 御指摘の答弁は、「不招請勧誘が禁止された前後における」商品先物取引が金融庁の所管外の事項であって、金融庁として「被害件数の推移」をお答えする立場にはないことを踏まえたものであり、政府としては、商品先物取引に関する相談を含めた消費生活相談情報について、全国消費生活情報ネットワーク・システム等を通じて関係省庁間で情報の共有化に努めているところである。

四及び六について

 四において御指摘の答弁は、「規制改革実施計画」(平成二十五年六月十四日閣議決定。以下「閣議決定」という。)において、「総合取引所の創設を通じて市場における取引を活性化するための環境整備を行う」とされ、かつ、金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第八項第一号に規定する商品関連市場デリバティブ取引に係る金融商品取引業者の行為規制について、証券・金融と商品の「垣根を取り払い横断的に市場環境を整備するとの基本的な考え方の下で、関係法令を整備する」とされたことを踏まえたものである。いわゆる総合取引所における商品関連市場デリバティブ取引に係る諸規定については、本年三月十一日から施行されたところであるが、当該商品関連市場デリバティブ取引に係る行為規制の内容については、閣議決定の内容や御指摘の消費者委員会の意見の趣旨等も踏まえつつ、現在、我が国金融商品市場の国際競争力の強化及び投資者に対する多様な投資機会の提供の確保並びに投資者の保護の確保の観点から、更なる検討を行っているところである。

五について

 日本商品先物振興協会が、「取引所取引に対する不招請勧誘禁止規制の撤廃を求める意見書」を公表していることは承知しているが、御指摘の記事の内容については、政府としてお答えする立場にはない。