質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第五一号

内閣参質一八六第五一号
  平成二十六年四月四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員江口克彦君提出国有財産の管理に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員江口克彦君提出国有財産の管理に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「国有財産の規模及び資産価値」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、国有財産(国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第二条に規定する国有財産をいう。以下同じ。)のうち、台帳(同法第三十二条に規定する台帳をいう。)に記載又は記録されたものの総額は、平成二十四年度末における現在額で、約百五兆円となっている。そのうち、土地の面積は約八百七十六万五千六百五十八ヘクタールとなっている。

二について

 国有財産の管理及び処分に当たっては、国有財産法第九条の五の規定に基づき、良好な状態での維持及び保存、用途又は目的に応じた効率的な運用その他の適正な方法により行わなければならないこととされている。
 その上で、お尋ねの「有効的に利用していくという計画」については、財務大臣は庁舎等の適正かつ効率的な使用を推進することを目的とし、国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法(昭和三十二年法律第百十五号)第四条第一項の規定に基づき、庁舎等使用調整計画を定めている。
 お尋ねの「事例」については、国有財産法第十条第一項の規定に基づき、国有財産の適正な方法による管理及び処分を行うため必要があると認めるときは、実地監査等を通じて適切な指導を行っており、例えば、組織の再編等により余剰がある庁舎等について、周辺の庁舎等の移転集約を促し、売却可能な国有財産の捻出を求めている。また、地方公共団体からの要望を踏まえ、地域防災への庁舎及び宿舎の有効活用や、待機児童解消のための保育所施設用地等として、定期借地権を活用した貸付けの取組等を行っている。

三について

 国有財産のうち庁舎等の行政財産(国有財産法第三条第二項に規定する行政財産をいう。)は、国の行政目的に直接供用される財産であることから、同法第五条の規定に基づき、各省各庁の長がその所管に属する行政財産の管理を行うこととされているが、財務大臣は、同法第七条の規定に基づき、国有財産の総括(同法第四条第一項に規定する国有財産の総括をいう。)をする立場から、国有財産の管理について必要な調整を行い、国有財産全体の適正な方法による管理の確保を図っている。

四について

 お尋ねの「国有財産の維持管理や修繕に係る年間コスト」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、国有財産のうち土地及び建物等について、平成二十四年度決算額により、各府省等所管の一般会計及び特別会計の合計額を計算すると、庁費の類のうち光熱水料約六百七十九億千二百万円、各所修繕約二百三億七千百万円、政府開発援助各所修繕約二億二千九百万円、公共施設等維持管理運営費約二百三十九億四千五百万円、官民区分所有施設維持管理運営費約五億三百万円、政府開発援助公共施設等維持管理運営費約八千百万円、普通財産維持費約四億三千六百万円がある。なお、当該庁費の類のうち光熱水料、各所修繕及び政府開発援助各所修繕については、国が借り受けている土地及び建物等にかかる費用を含んでいる。
 政府としては、現下の厳しい財政事情を踏まえ、個々の国有財産の状況に応じて、売却可能な国有財産はできるだけ売却することとしている。