質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第三二号

内閣参質一八六第三二号
  平成二十六年三月七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員川田龍平君提出アルツハイマー病研究の国家プロジェクトに関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出アルツハイマー病研究の国家プロジェクトに関する再質問に対する答弁書

一について

 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構によると、外注費とは、委託先が委託業務に直接必要なデータ分析等の請負業務を仕様書に基づいて第三者に行わせるための経費であり、他方、再委託費とは、委託先が委託業務の一部を更に第三者に委託するための経費であるとのことである。

二について

 御指摘の「最終報告の予定が度々引き延ばされ、今年三月末がいよいよ報告の最終期限となっているJ―ADNI(アドニ)」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

三について

 平成二十六年度の経済産業省のアルツハイマー病研究に係る事業については、同年度予算の成立前であるため、お答えすることは差し控えたい。

四について

 お尋ねについては、御指摘の調査(以下「本件調査」という。)が東京大学が実施しているものであることから、政府としてお答えする立場にない。

五について

 御指摘の「研究の最終報告書」の意味が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、御指摘のプロジェクト(以下「本件プロジェクト」という。)については、今後、適切な時期に研究の成果が取りまとめられるべきものと考えている。

六について

 先の答弁書(平成二十六年二月十二日内閣参質一八六第七号。以下「先の答弁書」という。)四から七までについてでお答えしたとおり、本件プロジェクトの研究データ等に関する事実関係については、専門的な観点から、公正な調査が必要であることから、本件プロジェクトの研究代表者が所属する東京大学に対し、本件調査を行うよう依頼したものである。

七について

 研究上の不正が疑われる事案に関して不正の有無の検証を行う上では、その証拠となるデータの保全が必要であることから、厚生労働省老健局の担当者が研究代表者及び研究分担者に対して、当該データに触れないよう要請したところであり、御指摘のような「製薬会社からの出向者が証拠資料を持ち出すことを厚生労働省として想定ないし容認していた」事実はない。

八について

 御指摘の「臨床研究の被験者資料の保全に関与すること」の意味するところが必ずしも明らかではないため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、臨床研究における研究機関と製薬企業との間の労務提供等についての透明性の確保は必要であると考えている。

九及び十について

 御指摘の「調査」については、臨床研究機関の協力に基づき実施するものであるため、お尋ねの日数について一概にお答えすることは困難である。また、お尋ねの臨床研究実施施設ごとの倫理審査委員会への申請時期については、把握していない。
 なお、先の答弁書十四についてでお答えしたとおり、本件プロジェクトは、平成二十一年三月三十一日以前に着手された研究であるため、臨床研究実施施設ごとの倫理審査委員会への申請時期にかかわらず、平成二十年の改正後の臨床研究に関する倫理指針(平成二十年厚生労働省告示第四百十五号)は適用されないものである。

十一について

 お尋ねについては、個々の記事の内容に関するものであるため、政府としてお答えする立場にない。なお、「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて」(平成十八年八月八日科学技術・学術審議会研究活動の不正行為に関する特別委員会決定)の対象となる不正行為は、「発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造と改ざん、及び盗用である」とされている。

十二について

 御指摘の「社会常識としての利益相反の考え方」の意味するところが必ずしも明らかではないが、高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会の御指摘の委員については、他の委員と同様、ノバルティスファーマ社や関係大学との利益相反に関する申告を求め、一定の基準を満たしていることを確認し、当該申告を公表することにより、透明性を確保した適切な利益相反の管理を行っているため、委員として同検討委員会に参画いただくことは、問題ないと考えている。