質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一四四号

サービス管理責任者に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月十七日

安井 美沙子   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   サービス管理責任者に関する質問主意書

 しょうがい者に対して就労を支援する「就労継続支援A型事業者」の職員配置については、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づき定められた、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準(平成十八年九月二十九日厚生労働省令第百七十四号)によりサービス管理責任者を配置することと定められている。サービス管理責任者については、平成十八年厚生労働省告示第五百四十四号により、就労に関する分野のサービス管理責任者研修を修了することと定められているが、平成二十四年三月三十一日まで経過措置があり研修を受けていなくても研修を受けたものとみなすことが可能となっていた。平成二十四年厚生労働省告示第二百十号にて改正され、既存事業者は平成二十五年三月三十一日までに研修を受けなければならなくなり、平成二十四年四月一日以降に新規で指定申請をする事業所は、事業開始後一年以内に就労に関する分野のサービス管理責任者研修を修了することと定められた。
 サービス研修を受けられず、有資格者の雇用もできずサービス管理責任者を配置できなくなった場合は、当時の障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十八年厚生労働省告示第五百二十三号)により定められた就労移行支援サービス費等が、平成十八年厚生労働省告示五百五十号の規定どおり三割減額されることとなっている。
 既存事業者がサービス管理責任者を配置せずにサービス費を減額されるのは理解できるが、平成二十四年度以降に新規で指定申請した事業所は、指定申請認可日によっては当該自治体のサービス研修を一年以内に受けることができず、真面目に研修を受け事業を実施しようとしているにもかかわらずサービス費を数か月減額されることとなる。有資格者を雇用しようとしても人材プールが十分でないためハローワークでは見つからず、困難を極めている。事業経営者は、費用面からも内部人材育成を行おうとするが、一年以内に他の自治体の研修を受けるべく申請をしても、自県内優先ということで断られる。新規指定申請時の事業者に対する研修や減額についての説明も、自治体ごとに一律でなく不親切である。
 例えば名古屋市においては、申請時にサービス管理責任者講習の実施予定スケジュールに関する説明がないまま、サービス管理責任者の配置に係る誓約書にサインが求められているのが実態である。他の自治体が、平成十八年の厚生労働省が発表した事業者指定のQ&Aに基づき、サービス費等の減算なきよう同講習スケジュールを説明し、申請自体を遅らせる対応を行っているのに比べると不親切なばかりか、意欲のある事業者が新規事業を行うことを阻害している。しょうがいを持つ方でも就労できるようノーマライゼーションの理念の下、サービス支援をしている事業者が制度の溝に陥り不当な扱いを受けることについて、何らかの措置が必要と考える。
 新規事業者に減算なく事業を遂行できるようにするには、自治体スケジュールに合わせたサービス管理者研修を受講可能なようサービス管理責任者の配置を事業開始後一年半程度とするとともに、既に申請済みの事業者については指定申請認可日により減算とならないようにし、最低でも自治体間の対応格差はなくさなければならないと思料するが、政府の見解如何。

  右質問する。