質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一三二号

参議院憲法審査会附帯決議と集団的自衛権行使の解釈変更に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月十三日

小西 洋之   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   参議院憲法審査会附帯決議と集団的自衛権行使の解釈変更に関する質問主意書

一 第一次安倍内閣及び第二次安倍内閣において衆参両院で付された附帯決議に違反したことはあるか。

二 参議院憲法審査会における「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」においては、「六 本法律の施行に当たっては、憲法の最高法規性及び国民代表機関たる国会の国権の最高機関としての地位に鑑み、政府にあっては、憲法の解釈を変更しようとするときは、当該解釈の変更の案及び第四項における政府の憲法解釈の考え方に係る原則への適合性について、国会での審議を十分に踏まえること。」とされているところ、仮に、第二次安倍内閣において集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈の変更を行う際は、その変更に係る閣議決定を行う事前に、当該附帯決議の規定に従い、憲法解釈の変更案及び本附帯決議第四項に規定するところの政府の憲法解釈の考え方に係る原則への適合性について国会に提出し十分な審議を受ける意思があると解してよいか。
 なお、私は参議院憲法審査会幹事として本附帯決議の起草を行い与党との協議において当該条項を確定した者であるところ、当該条項の「憲法の最高法規性及び国民代表機関たる国会の国権の最高機関としての地位に鑑み、政府にあっては、憲法解釈を変更しようとするときは、(中略)国会での審議を十分に踏まえること」との規定は、「憲法とは主権者国民のみがその内容を確定することができるが故の最高法規であり、かつ、その内閣による運用解釈は当該主権者国民の代表機関としての国権最高機関の国会の監督に服するものであり、従って、内閣が、解釈変更に係る閣議決定を行おうとする際には、その事前に国会における十分な審議を受けなければならない」ことを意味することを付言する。

三 仮に第二次安倍内閣として、本附帯決議第六項の規定に従わず、解釈の変更に係る閣議決定を強行する場合は、第二次安倍内閣は本附帯決議の趣旨を否定し、ひいては、国会を否定し、さらには国会議員を選出する主権者である国民を否定するものと解してよいか。

四 仮に第二次安倍内閣として、本附帯決議第六項の規定に従わず、解釈の変更に係る閣議決定を強行する場合は、本附帯決議可決の際に、「ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。」と発言した新藤総務大臣及び「ただいま可決されました日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。」と発言した谷垣法務大臣は、当該閣議決定への署名を拒否しない限り参議院憲法審査会において虚偽の発言をしたこととなると解してよいか。それぞれ、別途両大臣の見解及びそのような見解を取る理由について確認し、それぞれについて答弁されたい。なお、本質問の趣旨と関係のない、「現在行われている与野党協議の結果を受けて検討する」等の答弁は答弁漏れとみなすので断じて行わないこと。

五 前記一から三については、太田国土交通大臣に別途それぞれに関する見解を問い、その上で、第二次安倍内閣における集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈の変更に係る閣議決定への署名拒否の意思の有無及び署名拒否の意思を有さない場合はその具体的理由について、明らかにされたい。なお、本質問の趣旨と関係のない、「現在行われている与野党協議の結果を受けて検討する」等の答弁は答弁漏れとみなすので断じて行わないこと。

  右質問する。