質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一二八号

STAP細胞研究におけるエアーマウス疑惑に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月十二日

川田 龍平   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   STAP細胞研究におけるエアーマウス疑惑に関する再質問主意書

一 山梨大学の若山照彦教授(元・独立行政法人理化学研究所(以下「理研」という。)CDBゲノムリプログラミング研究チームチームリーダー)が保管していたSTAP幹細胞を第三者機関で遺伝子解析した結果、すべての株で、実験に使ったはずのマウスと異なる不自然な特徴が確認されたと報道されている(六月三日付け毎日新聞夕刊十面「STAP幹細胞、提供マウスと別の遺伝子」)。記事によると、若山教授は「近く、記者会見をして公表する」と語っているが、その後、山梨大学に確認したところ、若山教授が保管していたSTAP幹細胞を理研が分析した後に記者会見することとするとして無期限延期された。理研が分析することとした理由は何か。山梨大学に保管されているSTAP幹細胞を分析し、一方で、理研に保存されている他のSTAP幹細胞を分析しない理由は何か。また、分析結果の公表はいつまでに行うのか。

二 「STAP細胞研究におけるエアーマウス疑惑に関する質問主意書」(第百八十六回国会質問第一一〇号。以下「質問主意書」という。)に対する答弁書(内閣参質一八六第一一〇号。以下「答弁書」という。)の二から四まで及び六についてで、「その他のお尋ねについては、理研において事実関係を確認しているところであると承知している」とあるが、理研の調査委員会は論文不正に関する再調査を行わないと決定したとの報道がなされている。理研においてテラトーマ実験が実際には行われていない可能性が高いことを示すこれらの疑義について事実確認を行っているのは、理研のどの部署もしくは委員会か。また、調査結果の公開はいつか明らかにされたい。

三 答弁書の七についてでは、「疑義を指摘された点に関して、理研が定める「科学研究上の不正行為の防止等に関する規程」に規定する研究不正が認められるか否かという観点から調査を実施したものであり、その結果をもって、御指摘の「事実」が正しいか否かを判断したものではない」とあり、八についてでは、「疑義を指摘された点に関して調査を実施したものであり、「実験結果に関する記述については疑義のないものと認めたため調査対象としなかった」ものではない」とある。疑義を指摘された点に関して調査を実施するということであれば、質問主意書において指摘した論文中のFigure4の画像及びこれに対応する論文中の記述は、理研による「研究論文の疑義に関する調査委員会」の調査報告書に書かれたキメラマウス作成に関する経緯と照らし合わせて読めば、若山氏はSTAP細胞の作製に成功し、これを用いてキメラマウスを作製したこと、また、同論文で主張する細胞に対する刺激方法によるSTAP細胞の多能性獲得の証拠となる実験結果が得られたことを著者らが観察したことが、事実であるか否かを見極める決定的な部分であることから、本質問主意書において疑義を指摘し、調査を行うよう求めたいが、いかがか。理研がこの点に対して調査を行う意思があるかどうか、行う意思がない場合にはその正当性について、文部科学省の見解を明らかにされたい。

四 答弁書の九についてでは、「御指摘の報道については承知しているが、その報道内容の事実関係について確認されておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。」とあるが、このような重大な事態が事実として報道されていながらそれを放置したまま何の対処もしないというのは不適切である。まずは報道内容の事実関係について確認するための調査を行うべきであると考えるが、いかがか。

  右質問する。