質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一二六号

独立行政法人の研究開発機関の在り方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月十一日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   独立行政法人の研究開発機関の在り方に関する質問主意書

 我が国には世界最高の国際競争力を持つ独立行政法人の研究開発機関が数多くあり、日本を世界に貢献できるイノベーション立国とするためには欠かせない存在である。
 これらの研究開発機関には多くの貴重な人材と資源が蓄積され、これを戦略的に活用することは政府の責務であり、五十年、百年先の中長期的な国家戦略と関連づけて議論が行われるべきである。
 このような観点から、以下質問する。

一 我が国の独立行政法人の研究開発機関の予算の年間総額は約五十三兆円、人員規模は約十六万人と承知しているが、米、英、仏の国立の研究機関の予算の年間総額及び人員規模の直近の数値について示されたい。

二 平成二十六年六月五日の参議院内閣委員会で稲田国務大臣は、「特定国立研究開発法人、まだ法案は提出はされておりませんけれども、(中略)趣旨は、(中略)日本のイノベーション、そして戦略的な立場からその二つの、(中略)特定の国立研究開発法人に対して総科の関与を強化しつつ、そして柔軟な運用をすると。しかし、大きな権限があると同時に大きな責任もあるということでございます」と答弁しているが、なぜ独立行政法人理化学研究所(以下「理研」という。)と独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)の二つの研究開発法人が選ばれたのかについては明らかにしていない。この二つの研究開発法人が特定の国立研究開発法人に選ばれた理由について、具体的に示されたい。

三 理研と産総研の二つの研究開発法人の支援強化を行うと同時に、他のこれ以外の研究開発法人との支援のバランスを考慮しなければ、総合力として日本の研究開発を支援していく上でマイナスの効果も生じると思われる。この対策として、二研究開発法人以外の研究開発法人にどのような支援を行っていくのか、政府の見解を示されたい。

四 前記二に関して、稲田国務大臣が答弁したように、「世界に向けてイノベーションを発揮していく研究開発法人の在り方ということも踏まえ」るのであれば、五十年後、百年後の日本が本当の意味で世界に貢献できるために、どこに力点を置いた研究開発の方向性を示すのかが重要になる。これについても、客観的な基準により誰もが納得する形での議論が必要であると思われるが、基準について具体的な項目が示されなければ誰もが納得するとは言えない。「研究開発法人の在り方」を検討する上でどのような検討項目を想定するのか、政府の見解を具体的に示されたい。

  右質問する。