質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一一二号

日本における統合医療の推進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年五月二十九日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   日本における統合医療の推進に関する質問主意書

 政府が医療戦略を進める上では、様々な医学的知見の活用、連携協力ということは不可欠である。最先端の西洋医学の知見にとどまらず、非西洋的な、医学的な効能はあるが、科学的には十分解明されていないものの、民間療法という形で広く行き渡っている東洋医学の知見を活用することは欠かせない。
 このような観点から、以下質問する。

一 米国の国立衛生研究所では、アメリカインディアンが使っている祈祷、祈りのパワー、中国の気功師が用いる「気の力」等で病気を治癒させようとする研究が進んでいる。米国政府は西洋医学と東洋医学の融合を図ろうとする医療プロジェクトに取り組んでいるが、予算規模等について政府の承知するところを示されたい。また、同プロジェクトに対する政府の見解を示されたい。

二 平成二十六年五月二十日の参議院内閣委員会で菅官房長官は、「統合医療について(中略)安全性だとかあるいは有効性、これに関する科学的知見を収集するということが、我が国にとってはこれが大事だ」と述べ、「平成二十六年度予算においても、厚生労働省の方で必要な金額を計上し、対応している」と答弁しているが、かかる厚生労働省の対応に関して、過去三年間の予算及び事業計画の概要について具体的に示されたい。

三 前記二に関して、菅官房長官は「法案が成立した後に、健康・医療戦略本部の下で健康・医療の戦略を進めていく」が、「これらの研究成果を踏まえるとともに、有識者を始め広く御意見を伺いながらその取扱いというものを検討」すると答弁しているが、「これらの研究成果」とは何を指し、既に公表されたものはあるのか、具体的に示されたい。

四 病気の治癒や健康の維持のためには、西洋医学の分野だけではなくて、漢方医療や鍼灸等を組み合わせることにより相乗効果が生まれる。このような統合医療の推進には、日本は最も恵まれた地理的、文化的環境にあり、日本の国際的地位向上のためにも、積極的に推進するべきだと思われるが、同時に外交上の広報活動も不可欠である。過去、外務省において日本の統合医療の成果について広報活動を行ったことはあるのか。また、政府開発援助の支援項目の中に統合医療の推進の項目はあるのか、具体的に示されたい。

  右質問する。