質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第七九号

介護ロボット等の普及拡大に向けた取組に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年四月二十一日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   介護ロボット等の普及拡大に向けた取組に関する質問主意書

 平成二十六年三月、ロボットスーツ「HAL」を開発したサイバーダイン株式会社が、東京証券取引所マザーズに株式上場した。これは、我が国における医療・福祉用ロボットメーカーの初めての株式上場となる。医療・福祉分野におけるロボット技術の活用が期待される中、こうした動向は我が国の成長戦略の実現にとって、非常に大きな意味を持つ。
 医療・福祉用ロボットは、人との接触度が高く、対人安全の技術や基準の整備が求められる。
 福祉用も含む生活支援ロボットについては、経済産業省の「生活支援ロボット実用化プロジェクト」で得られた安全性に関する成果に基づき国際安全規格ISO13482が発行されており、「ロボットスーツHAL福祉用」については、当該規格のドラフト版を基に、世界に先駆けて認証が行われている。また、同規格の発行後、パナソニックプロダクションエンジニアリング株式会社の離床支援ロボット介護機器「リショーネ」などについて、世界で初めて認証が行われている。
 一方で、同じロボットスーツ「HAL医療用」については、EU全域で医療機器指令の適合及びロボット医療機器関連としては世界で初めてISO13485(医療機器)の認証を取得し、多くの病院へ導入されている一方で、我が国においては医療機器として未承認の状況にある。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 介護現場における生活支援ロボットによる支援のため、国際規格の認証取得の一層の促進・加速化を図る必要があると考えるが、今後具体的にどのような取組を行うのか、政府の見解如何。

二 医療機器としてロボット技術を有効に活用する観点からは、いわゆるデバイスラグを解消し、医療用ロボットの開発・実用化の促進が何よりも重要である。昨年十二月の薬事法等の一部を改正する法律の成立により、医療機器の迅速な実用化に向けた規制・制度の簡素化等が図られたが、ロボットスーツなどの医療用ロボットの製造販売の承認の迅速化・加速化のため、薬事法による対応も含め、具体的にどのような支援策が講じられることとなるのか、政府の見解如何。

三 介護ロボット等の導入拡大に向けては、介護保険の給付対象となる福祉用具の範囲を見直すことも肝要である。厚生労働省においては、平成二十六年一月に「第一回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」を開催し、介護保険における福祉用具の範囲の考え方や複合的機能を有する福祉用具の取扱に関する協議が開始されたと承知しているが、今後の検討予定如何。また、今後ますます重要性が高まってくる高齢者や要介護者の自立支援に向けて、介護ロボット等の開発・普及を強力に推進する必要があると考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。