質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第四八号

スリランカの人権状況の改善に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年三月十七日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   スリランカの人権状況の改善に関する質問主意書

 スリランカでは、一九八三年以降二十五年以上にわたり、スリランカ北・東部を中心に居住する少数派タミル人の反政府武装勢力である「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」が、北・東部の分離独立を目指して活動し、政府側との間で内戦状態であったが、二〇〇九年五月に政府軍がLTTEを制圧し内戦が終結した。しかし、国連事務総長が設置した専門家パネルが内戦の末期に多数の市民が政府軍に殺害されたとの調査結果を報告しており、内戦終結後も、反政府、LTTE支持とみなされた人々への超法規的な拘禁、拷問、強制失踪及び殺害が蔓延し、処罰もされていないと報道されている。
 この問題について、二〇一四年三月三日から二十八日にかけてジュネーブで開催される第二十五回国連人権理事会において、現地時間三月二十六日にスリランカの人権状況が取り上げられる予定となっている。具体的には、二月二十四日、国連人権高等弁務官が人権理事会に提出したスリランカに関する報告書「Promoting reconciliation and accountability in Sri Lanka」に関し、議論が行われる予定である。
 今次理事会に際して、昨年同様に政府の説明と行動を求める「スリランカ人権状況決議案」の提出が見込まれているところ、我が国は、昨年の第二十二回人権理事会におけるスリランカ人権状況決議の採択を棄権している。
 右の状況を前提に、以下質問する。

一 日本政府として、スリランカの人権状況を改善するため、どのような政策を実施しているのか明らかにされたい。

二 前記一に関連して、我が国の「ODA大綱」では、「援助実施の原則」として「(四)民主化の促進、市場経済導入の努力並びに基本的人権及び自由の保障状況に十分注意」と規定されている。この原則は、スリランカへのODA実施に当たって、具体的にどのように機能しているのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 「人間の安全保障」を外交の基本方針とする我が国として、人権理事会に「スリランカ人権状況決議案」が提出された場合、どのような態度で臨む方針なのか、その根拠と併せ示されたい。

  右質問する。