質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第四二号

敗戦直後からの確定債務・休眠口座などの現状に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年三月十一日

藤田 幸久   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   敗戦直後からの確定債務・休眠口座などの現状に関する質問主意書

 来年には戦後七十年を迎える。今日、我が国の過去の戦争の歴史に対する態度が国際的にも厳しく問われているが、「戦後七十年」を一つの大きな節目として、歴史的なけじめをつけるべき時期にきていると考える。
 いわゆる戦後処理で、やり残してきた課題の一つに未払の確定債務(軍事郵便貯金、外地郵便貯金、厚生年金、供託金、有価証券、地金など。以下「確定債務」という。)の問題がある。当事者からの請求がない限り、口座などを閉じることができず、半永久的に処理ができない状態が続いている。時間の経過とともに、請求が減少していることも当然と思われる。
 そこで、確定債務が全体としてどれ程あり、本来支払うべき相手は誰なのかを明確にすることは、この問題を考える上で不可欠の作業である。
 しかるに、大変残念なことに、この問題に対する国としての責任と取組の在り方は不明確である。我が国の行政システムは著しく縦割りであり、各省庁内の数字は一応把握されているが、全体として国はどれ程の確定債務を負っているのかというデータはこれまで示されてこなかった。
 そこで、「戦後七十年」を前に、政府の責任と対応の在り方並びに敗戦直後からの確定債務の全般的な現状と今後の具体的処理の見通しについて、以下質問する。

一 日本政府及び日本銀行・政府系金融機関が、一九四五年八月の敗戦後に預かったまま今日に至っている日本人及び外国人名義の全ての確定債務について、総額と国籍別、保管機関別及び種別の内訳を明示されたい。

二 過去十年間で確定債務の払戻し・引取り請求が実際に何件あり、総額どれ程の支払い又は引取りがなされたのか、示されたい。

三 確定債務はほとんどが休眠状態にあるとみられるが、払戻し・引取り請求が、今後どの程度あり得ると予想又は推定しているか、政府の見解を明らかにされたい。

四 預かり帳簿や貯金通帳のない、つまり所有者の特定できない確定債務も存在するのか。存在する場合には、それらの内訳を明示されたい。

五 確定債務の処理に関して、政府は今後どのような見通しをもっているのか。請求者が現れるまで半永久的に現状どおりの保管を続けるつもりなのか。

六 民間の保険会社や証券会社、銀行などが保管する確定債務に関するデータはあるのか。それらのデータについて、これまで政府は調査したことはあるのか。

七 来年には戦後七十年を迎える今、各省庁にまたがる確定債務に係る課題について総合的に対処するために、政府内に特別対策チームなどを組織して包括的に対応するべきと考えるが、いかがか。

  右質問する。