質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一二号

日台関係に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年二月十日

江口 克彦   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   日台関係に関する質問主意書

 我が国においては、平成二十五年十二月四日に国家安全保障会議が発足し、同月十七日には初の国家安全保障戦略も策定されるなど、外交安全保障政策を政府一体となって推し進める態勢が整った。さらに、積極的平和主義の考え方の下、東南アジア諸国との連携強化を図るなど、力強い外交を展開している安倍内閣の姿勢は率直に評価したい。
 ただし、中国による一方的な防空識別圏の設定や海洋進出等により、東アジア情勢が緊迫化する中、同地域の平和と繁栄を維持し、我が国のシーレーンの安全確保や南シナ海での中国海軍進出の抑止等を図るためには、台湾周辺海域の安定が重要であり、中国の動きを牽制する意味でも、今後、政治・安全保障面も含め、台湾との協力関係を構築する必要があると考える。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 国家安全保障戦略では、「Ⅳ 我が国がとるべき国家安全保障上の戦略的アプローチ」の中の「3 国際社会の平和と安定のためのパートナーとの外交・安全保障協力の強化」において、様々な国・地域との関係強化の方針が示されているが、台湾との関係について一切の言及がない。我が国の安全保障を考えるに当たっては、前文で触れたとおり、台湾との関係をどのように位置付けるのかは、非常に重要な要素であると考えるが、その点についての言及がなされていない理由を明らかにされたい。

二 米国は、昭和五十四年に中国と国交を樹立したが、他方、同年に台湾関係法を制定し、「平和的手段以外の方法によって台湾の将来を決定しようとする試みは西太平洋地域の平和と安全に対する脅威であり、米国の重大関心事である」との認識の下、米国の対台湾政策を法律で定めている。この米国の台湾関係法に対する政府の認識・評価を示されたい。

三 政府は、台湾との関係について、「昭和四十七年の日中共同声明第三項を踏まえ、非政府間の実務関係として維持する」との基本的立場を示しているが、日台関係を基礎付ける法的文書は存在しない。しかし、日中関係に関して、台湾との連携は外交上有益と考えられることから、我が国においても、米国の台湾関係法を参考としつつ、台湾との基本的関係を示した「日台関係基本法」を早急に制定し、台湾との関係強化を図っていくべきと考えるが、この点についての政府の見解を示されたい。

  右質問する。